パブロ・エベンシオ・デ・ラ・クルーズ・カステジャーノス・ユマールの生涯と業績
パブロ・エベンシオ・デ・ラ・クルーズ・カステジャーノス・ユマール(Pablo Evencio de la Cruz Castellanos Yumar)は、
1915年5月3日にベネズエラの
ミランダ州クアで生まれ、
1984年3月16日にその地で亡くなった。彼は
作曲家、
指揮者、
ピアニストとしての多才さで知られ、特にベネズエラの音楽シーンにおいて重要な役割を果たした。
彼の音楽的な才能は、父親の影響を受けて育まれた。父親は教会のオルガン奏者であり、カペルマイスターとして活動していたため、デ・ラ・クルーズは幼少期から音楽に親しむ環境に身を置いていた。
1938年、彼はカラカス高等音楽学校に入学し、著名な
音楽家であるフアン・バウティスタ・プラーサやビセンテ・エミリオ・ソホらから学び、特にソホの指導のもとで民族的な
作曲スタイルを習得した。
1946年、デ・ラ・クルーズはベネズエラ中央大学合唱団の
指揮者に就任し、同時に校歌を
作曲した。音楽活動が評価され、
1947年には
ニューヨークに留学して
ピアノを学ぶ機会を得る。この留学は彼の
音楽家としての成長に大きく寄与したと言える。帰国後はカラカス大聖堂のオルガン奏者兼
指揮者として活動し、またカラカス高等音楽学校で
作曲や指揮を教えることにも尽力した。
さらに彼は、ベネズエラ交響楽団の副
指揮者やベネズエラ
作曲協会の会長としても活躍し、コレギウム・ムジクム・デ・カラカスを創設するなど、地元の音楽文化の発展に寄与した。彼の活動は広範であると同時に、後進の指導にも力を入れていた。
デ・ラ・クルーズはその音楽的功績に対して数々の賞を受賞している。中でも注目すべきは、
1952年に創設されたテレサ・カレーニョ賞の受賞である。また、彼の交響詩『パカイグリアの聖なる十字架』は
1954年に国家音楽賞を受賞し、さらに
1962年にはオラトリオ『ティラノ・アギーレ』により再度国家音楽賞を受賞した。これらの受賞歴は、彼の
作曲家としての才能を証明するだけでなく、彼の作品がいかに評価されているかを示している。
彼の音楽は、ベネズエラの民族音楽の要素を取り入れつつ、独自のスタイルを持っていることで知られ、地域の音楽教育や文化の発展に貢献し続けた。地元の音楽界に与えた影響は大きく、後の世代に多くのインスピレーションを与えた。
彼が残した楽曲や音楽理論は、現在も多くの
音楽家に影響を与えており、ベネズエラの音楽文化の礎となっている。パブロ・エベンシオ・デ・ラ・クルーズ・カステジャーノス・ユマールの業績は、今なお多くの人々に愛され続けている。
関連項目