エミー・ジャクソン

エミー・ジャクソン（本名：エミー・イートン、日本名：深津エミ）は、1945年7月2日にイギリスのエセックス州ランスフォードで生を受けた元アイドル歌手です。父方の祖父がイギリス人であることから、彼女は日英両方のルーツを持っており、それが後の活動にも影響を与えたと言えるでしょう。

彼女のキャリアは、1960年代半ばに日本の音楽シーンで花開きました。1964年、エミー・ジャクソンはラジオ関東（現：アール・エフ・ラジオ日本）のDJ番組でアシスタントとして活動している最中、著名な音楽評論家でありプロデューサーの湯川れい子氏にその類稀な才能を見出されます。この運命的な出会いをきっかけに、彼女は歌手としての道を歩み始めることになります。

翌1965年4月20日、エミー・ジャクソンは日本コロムビアのCBSレーベルから、シングル「涙の太陽」で待望のデビューを飾りました。この曲は、後に多くのアーティストにカバーされ、時代を超えて愛されるスタンダードナンバーとなり、彼女の代表曲として広く認知されています。

デビュー当時のエミー・ジャクソンは、主に海外のポップス楽曲を日本語でカバーすることに力を入れていました。そのエキゾチックな魅力と、パワフルでありながらも情感豊かな歌声は、当時の日本の若者たちに熱狂的に受け入れられ、一躍人気歌手の仲間入りを果たします。日劇ウエスタンカーニバルといった、当時の日本の音楽シーンを象徴する大規模なイベントにも多数出演し、その存在感を示しました。

精力的な活動を続けたエミー・ジャクソンでしたが、1973年に惜しまれつつも一度、歌手としての活動を休止し、公の場から遠ざかります。

しかし、彼女の歌声への情熱が途絶えることはありませんでした。長いブランクを経て、1984年10月には、佐々木勝俊氏とのデュエットシングル「CRYヨコハマ」をキャニオン・レコード（現：ポニーキャニオン）からリリースし、限定的ながらも音楽活動を再開しました。

そして1993年、エミー・ジャクソンは歌手活動の本格的な再開を決意します。この頃からは、以前のような大規模なステージに加え、主にライブハウスを活動の拠点としました。よりファンとの距離が近い環境で、往年のヒット曲から新しいレパートリーまで、幅広い楽曲を披露しています。現在も精力的にライブ活動を行い、長年のファンはもちろん、新しい世代のリスナーにも彼女の魅力的な歌声を届け続けています。

エミー・ジャクソンは、そのキャリアの中で多くの楽曲を発表しています。初期のヒットシングルには「涙の太陽」の他に、「夢みるマイ・ボーイ」（1965年8月）、「ブルー・クリスマス」（1965年11月）、「涙のゴーゴー」（1966年2月）、「プリテンド」（1966年3月）、「涙がいっぱい」（1966年）、「恋のエンジェル・フィッシュ」（1966年8月）、「天使のいたずら」（1966年11月）などがあります。また、アルバムとしては、LP盤「The Emy Jackson Album」（1967年）、CDアルバム「THE VERY BEST OF EMY JACKSON」（1994年）、そして「TIMELESS」（2008年制作）などがあります。

エミー・ジャクソンの歩みは、日英という二つの文化を背景に持ちながら、日本のポップスシーンにおいて確固たる地位を築き、一度の引退を経てなお、情熱的に歌い続けるアーティストの姿を示しています。その歌声とキャリアは、今も多くのファンに愛され続けています。

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