エモーショナル・ビート

エモーショナル・ビート

「エモーショナル・ビート」（EMOTIONAL BEAT）は、TOKYO FMで1993年4月1日から2002年3月29日にかけて、約9年間にわたり放送されていた人気のラジオプログラムです。リスナーの間では親しみを込めて「エモビ」という愛称で呼ばれ、特に夕方の時間帯を中心に、当時の若者たちの日常に寄り添いました。音楽、最新のエンターテイメント情報、様々なゲストトーク、そしてリスナー参加型の企画などが展開され、幅広い層からの支持を得ていました。番組の歴史は大きく三つの期に分かれています。

番組の概要と特徴

番組がスタートした1993年から、1998年3月までの期間は、同じくTOKYO FMで放送されていた「カタクリコホットライン・ゴールドラッシュ」が番組の一部時間帯に内包される形をとっていました。また、金曜日は「エモーショナル・ビート・フライデー」として放送され、週末に向けた特別な構成や企画が行われることが多かったです。

各期の詳細

第一期（1993年4月1日〜1996年3月29日）

番組の黎明期にあたるこの時期は、日によって様々なパーソナリティが登場するのが特徴でした。初期には市川博樹さんや加藤美樹さんらが月曜日を担当し、その後も鈴木しょう治さん、今泉圭姫子さん、小田靜枝さん、岡田雅子さん、平田節子さん、服部陽介さん、内藤忠さんなど、多様な顔ぶれが番組を彩りました。特に1995年10月以降は、鈴木しょう治さんが月曜日から木曜日までを通して担当する形となりました。

この時期の主なコーナーとしては、「サウンド・エモーション」「ハロー・ハートビート」「ヒット・チャレンジ」「ミュージック・スクランブル」「キャンパス・トレンド」「ニューヨーク・ベスト10」「エンターテイメント・スポットライト」など、音楽やトレンド、海外情報に焦点を当てたものが多く見られました。後期には「ヒット曲集中リクエスト」「ゲストを迎えて大騒ぎ」といったリスナーやゲストとの交流を深める企画や、「しょうちゃんの一押しダンス」「渋谷でタッチ」といった、パーソナリティの個性を活かしたコーナーも登場しました。

第二期（1996年4月1日〜1998年3月31日）

この二年間は、山本シュウさんと藤丸由華さんがメインパーソナリティを務めました。二人の軽快なトークと個性的な企画で、番組は新たなカラーを打ち出しました。

代表的なコーナーには、リスナーの常識力を試す「クイズ3000万人の常識～今日のシュウテウィング・ソング」や、リスナーに電話をつなぐ「直撃逆電コーナー」、街の様子を伝える「街角チェック!チェック!」などがありました。また、飯星景子さんによる人気コーナー「飯星景子のイーボシ・ウメボシ・今日もヨシ」もこの時期に放送されていました。

第三期（1998年4月1日〜2002年3月29日）

番組の最終期となるこの期間は、放送時間帯がPart1とPart2に分かれ、それぞれ異なるパーソナリティが担当しました。Part1は牧野隆志さんと中井亜希さん（1998年4月〜1999年3月）、北野順一さんと黒住祐子さん（1999年4月〜2000年9月）、藤田ミキトさんと高橋里華さん（2000年10月〜2002年3月）がリレー形式で担当しました。一方、Part2は松山三四郎さんと望月理恵さんが務めました。

この時期の主なコーナーには、Part1で放送された「TOYOTA ヒッツ&メモリーズ」「ぴあチケッティングナウ」「日経エンタテインメント! presents エモーショナル・トピックス（2001年3月まで）」、Part2の「エモーショナルビート Today's フラッシュ!」「オロナミンCプレゼンツ 元気ネット」「KODANSHA 男塾・女塾」「エモーショナル・ヒッツパレード」「アリナミンV 直撃テレフォン残業リクエスト」などがありました。また、Part2では「めざせ!都内結婚（月曜）」「名曲講座（火曜）」「モッチーズ・キッチン（水曜）」「ホームページに来てくれ（木曜）」といった、曜日ごとの個性的なコーナーも人気を集めました。

約9年間の歴史に幕を閉じた「エモーショナル・ビート」は、その時々のトレンドやリスナーのニーズに応じた様々な企画と、個性豊かなパーソナリティたちの活躍によって、多くのラジオファンにとって記憶に残る番組となりました。

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