エリザベスシティの水上戦

エリザベスシティの水上戦について

エリザベスシティの水上戦（1862年2月10日）は、南北戦争の初期に発生した重要な戦闘の一つです。ノースカロライナ州エリザベスシティ近くのパスクォタンク川で、北軍北大西洋封鎖戦隊の艦船が南軍モスキート戦隊の艦船と対峙しました。この戦闘は、北軍のアンブローズ・バーンサイド少将が指揮したノースカロライナ州での作戦の一環として行われ、北軍が勝利を収めました。

地理的背景

エリザベスシティは、パスクォタンク川の河口に位置し、北からはアルベマール・サウンドに注ぎ込む形になっています。この地域は、ノースカロライナ州からバージニア州東部への物資輸送において重要な経路でした。特にノーフォークの生存にとって、この運河を利用した物資供給が不可欠でした。しかし、1862年2月に北軍がエリザベスシティ周辺の水域を制圧したことにより、南軍の物資輸送路は遮断されることとなりました。

バーンサイド遠征の前提

バーンサイド少将が指揮する部隊は、2月7日から8日にかけてのロアノーク島での戦闘を通じて、南軍の砲台を排除しました。この勝利は、北軍が再び安全に運河を使用するための重要な第一歩となりました。モスキート戦隊は、北軍による圧力の増加に直面し、壊滅的な影響を受けることが予想されました。

戦闘の展開

2月10日朝、南軍のリンチ艦長は北軍艦隊の出現に備えて自軍艦船を配置しました。彼はコブスポイントの砲台を拠点とし、戦力を集中させましたが、期待された民兵の数はわずかしかおらず、その防衛力はそれほど強固ではありませんでした。一方、北軍のローワン中佐は、十分な人数と火力を持つ艦隊を編成し、南軍を攻撃する準備を整えました。

戦闘が始まると、南軍の防衛はあっけなく崩れ、攻撃を仕掛けた北軍艦隊は次々と南軍艦船を沈めていきました。特にCSSブラック・ウォリアーやCSSファニーは、敵の攻撃中に自ら放火されるなどして沈没しました。南軍艦艇の多くが破壊され、数隻は逃げることもできずに捕らえられました。

戦闘の結果

この戦闘の結果、北軍はエリザベスシティとその水系の支配権を掌握し、南軍は大きな損失を被りました。北軍の死傷者は少数でしたが、南軍はより多くの戦死者と捕虜を出しました。戦後、南軍はエリザベスシティに火を放ち、町は大きな被害を受けました。

戦闘の意義

エリザベスシティの水上戦は、南北戦争の戦局における転換点として非常に重要な意味を持っています。この戦闘によって、北軍は南部の供給ラインを寸断し、戦略的優位に立つことに成功しました。さらに、南軍の敗北はその後の戦闘にも影響を与え、戦争全体の情勢において重要な役割を果たしました。

この戦闘の結果として、ノースカロライナ州における北軍の影響力が強まる一方、南軍は戦略的劣位に立たされることとなりました。

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