エリーザベト・フォン・ブランデンブルク (1425-1465)

エリーザベト・フォン・ブランデンブルク：激動の時代を生きた公妃

エリーザベト・フォン・ブランデンブルク（1425年 - 1465年1月13日以降）は、15世紀のドイツ、ブランデンブルク＝クルムバッハ辺境伯ヨハンの娘として生まれました。彼女の生涯は、二度の結婚を通して、当時の政治情勢、特にブランデンブルクとポメラニアの関係に深く関わることになります。

生い立ちと家族

エリーザベトの父ヨハンは、ブランデンブルクの相続権を放棄し、フランケン地方のホーエンツォレルン家の領地を譲り受けました。エリーザベトには、デンマーク王妃ドロテアやマントヴァ侯妃バルバラといった姉妹がおり、彼女自身もまた、高貴な血筋を受け継いでいました。

ポメラニア公妃として

1440年、エリーザベトはポメラニア＝シュチェチン公ヨアヒム1世と結婚します。この結婚は、ブランデンブルクとポメラニア間の条約締結を目的としたものでした。しかし、結婚から11年後、ヨアヒム1世はペストにより亡くなってしまいます。二人の間には、ポメラニア＝シュチェチン公オットー3世という息子が生まれました。

1454年、エリーザベトはポメラニア＝リューゲン公ヴァルティスラフ10世と再婚します。しかし、この結婚は不幸なものでした。エリーザベトは、夫が自分を殺害し、財産や年金を奪おうとしているのではないかと疑心暗鬼に陥ります。経済的な困窮から、叔父であるフリードリヒ2世は、エリーザベトに父の領地アルンスヴァルデの代わりにリッペーネとベルリンヒェンを与えました。

相続を巡る争いと政治的影響

1464年、エリーザベトの父と3人の息子が相次いで亡くなると、ポメラニア＝シュチェチン家の相続を巡って、ポメラニアとブランデンブルクの間で戦争が勃発します。エリーザベトの置かれた状況は、フリードリヒ2世にとって、ヴァルティスラフ10世との交渉を打ち切り、ポメラニアに対する主張を推し進める動機となりました。メクレンブルク＝シュタルガルト公ハインリヒの調停の後、ヴァルティスラフ10世はポメラニアをブランデンブルク選帝侯の封土として認めることになります。

子女

エリーザベトは、最初の夫ヨアヒム1世との間に一人の息子をもうけました。

オットー3世（1444年 - 1464年） - ポメラニア＝シュチェチン公

二番目の夫ヴァルティスラフ10世との間には二人の息子がいました。

スヴァンティボル（1454年 - 1464年）
エアトマール（1455年 - 1464年）

参考文献

Barthold, Friedrich Wilhelm (1843). Geschichte von Rügen und Pommern. Band 4. F. Perthes. p. 289 ff
Sell, Johann Jakob (1819). Geschichte des Herzogthums Pommern. Flittner
"Wartislaw X.". http://www.ruegenwalde.com. 2023年10月28日閲覧。

エリーザベト・フォン・ブランデンブルクの生涯は、当時のヨーロッパにおける政治的な駆け引き、相続争い、そして女性の立場を浮き彫りにしています。彼女は、激動の時代を生き抜いた、強い意志を持った女性だったと言えるでしょう。

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