エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE

エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE

『エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE』は、2010年に公開されたブラジル映画で、ジョゼ・パジーリャが監督を務めました。この作品は、腐敗が蔓延するブラジル政府や警察組織の問題に立ち向かう特殊警察作戦大隊（BOPE）の隊長であるナシメントの物語を中心に展開されます。前作の続編として、ナシメントが直面する新たな困難と彼の内面的な葛藤が描かれています。

あらすじ

映画は、ナシメントが前作の後に直面する厳しい現実から始まります。ナシメントは妻のマリアと離婚し、息子ラファエルの親権を失ってしまいました。さらに、マリアは市民活動家のフラガと恋愛関係にあるため、ナシメントとフラガとの間には敵対的な関係が構築されていきます。職業上、二人の政治思想は対立しており、それが二人の関係をさらに悪化させる要因となります。

独り身となったナシメントは、BOPEからの引退を撤回し、再び職務に情熱を注ぎ始めます。彼は大隊長に昇進しますが、その彼の仕事は常に危険と隣合わせです。ある日、刑務所内で発生した暴動を鎮圧するためにBOPEが派遣されることになります。しかし、暴徒が交渉相手として選んだのはフラガであり、さらにトラブルが発生します。暴徒によってフラガに銃が向けられ、その状況を収めようとしたマチアス大尉が暴徒を射殺してしまいます。この事件は警察内部で大きな批判を浴びる一方で、ナシメントは国民から英雄視されるようになります。

ナシメントはBOPEから外される代わりに、リオデジャネイロ州公安局の次官に昇格しますが、フラガは州議会議員に当選するなど、彼らの人生は相対的に異なる進展を見せます。マチアス大尉は射殺事件の後BOPEから除籍され、悲惨な環境に置かれることになります。友人からの慰めも虚しく、彼はマスコミに内部告発してしまい、自らの運命をさらに悪化させます。

ナシメントは、妻子や妻の再婚相手、教え子といった周囲との関係も悪化し、プライベートでの生き甲斐を見失っていきます。次官としての権限を利用し、BOPEの権力を増強することで、ナシメントはリオデジャネイロから麻薬の供給源を排除し、ギャングの財源を断つことに成功します。しかし、これにより汚職警官たちは逆にギャングを排除し、自らが犯罪組織と化す道へと進むことになります。

その後、ミリシアと呼ばれる汚職警官グループが台頭し、彼らは政治家すら巻き込んだ確固たる悪の「システム」を構築します。この状況に気づいたナシメントは、かつての敵であるフラガと手を組み、社会の病巣に立ち向かう決意を固めます。二人はそれぞれの立場や信念の違いを乗り越え、真の敵に立ち向かうための共闘を図るのです。コメディやアクションの要素も織り交ぜながら、映画は観客を引き込み、非常に緊張感があるストーリーを展開します。

キャスト

• - ヴァグネル・モーラ
• - アンドレ・ハミロ
• - イランジール・サントス
• - マリア・ヒベイロ
• - サンドロ・ロシャ
• - ミリェム・コルタス

本作は、ただのアクション映画にとどまらない深いメッセージを持った作品です。ブラジルの社会問題を直視し、私たちの周囲でも見られる腐敗や道徳的な課題について考えさせられる内容となっています。

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