エリート狂走曲

エリート狂走曲

『エリート狂走曲』は、弓月光による日本の漫画作品です。1977年から1978年にかけて集英社の「週刊マーガレット」で連載されました。物語は、主人公である片桐哲矢とその家族が、兵庫県の田舎から東京へ引っ越してくることから始まります。都会の過熱した進学競争に戸惑いながらも、哲矢は様々な出来事に巻き込まれ、成長していく姿が描かれています。

あらすじ

兵庫県ののどかな村で育った片桐哲矢は、小学6年生の夏に東京へ引っ越します。都会の子供たちの間では、有名中学校への進学が当然の目標となっており、哲矢も母親の意向や、同級生の美波唯との約束から、進学塾に通うことになります。勉強嫌いの哲矢は、スパルタ教育に苦しみながらも、唯や家庭教師の多田京四郎の助けを借りて、徐々に勉強のコツを掴んでいきます。そして、数々の困難を乗り越え、見事名門・東方中学への合格を勝ち取るのです。

しかし、中学に入学してからも哲矢の騒動は絶えません。授業についていけず成績は低迷しますが、持ち前のバイタリティと前向きな性格で、困難を乗り越えていきます。

主な登場人物

片桐哲矢: 本作の主人公。田舎育ちの野生児で、勉強は苦手だが、頭の回転が速く、悪知恵が働く。母親の意向で進学塾に通い、東方中学を目指すことになる。
美波唯: 哲矢のガールフレンド。成績優秀で美少女。哲矢とは対照的な性格だが、次第に惹かれあっていく。後に哲矢とともに東京大学に進学し、学生結婚する。
多田京四郎: 哲矢の家庭教師。エリート意識が強いが、どこか抜けている青年。哲矢を東方中学に合格させたことがきっかけで、東方中学の教師となる。
志乃田修: 哲矢の小学校の担任教師。東大進学塾の講師も兼務している。哲矢の破天荒な行動に振り回され、精神的に不安定になる。
信夫尚美: 志乃田の代理として小学校に赴任してきた教師。京四郎の恋人であり、後に結婚する。

作品の特徴

『エリート狂走曲』は、1970年代の受験戦争を背景に、子供たちの成長や友情、恋愛を描いた作品です。哲矢の破天荒な行動や、個性的なキャラクターたちが織りなすコミカルな展開が、読者を引きつけます。また、受験戦争の過酷さや、親の見栄などがリアルに描かれており、社会風刺の要素も含まれています。

続編・番外編

本作には、続編として読み切り作品「サインコサイン三角関係」があります。これは、哲矢たちが中学3年生になった頃のエピソードを描いたものです。また、哲矢の息子である達矢を主人公にした番外編も存在します。

弓月作品への登場

哲矢と唯は、その後の弓月作品にも登場しています。

『ボクの婚約者』：川原椎名と久保竜二の家庭教師として登場。2人の確固たる愛情と信頼関係が描かれている。
* 『みんなあげちゃう』：扉絵の隅に登場。ヒロイン悠乃が唯に連載記録を更新したことを自慢するシーンが描かれている。

その他

作者の弓月光は、本作のタイトルが『エリート狂騒曲』と誤って記載されるたびに、X（旧Twitter）上で訂正を行っています。

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