エルマン・パンゾ

エルマン・パンゾ(Hermann Panzo)は、1958年2月8日生まれ、1999年7月30日に亡くなった、フランス陸上競技選手です。1970年代から1980年代にかけて、男子短距離選手として活躍し、1980年のモスクワオリンピックでは銅メダルを獲得しました。

生い立ちと初期の活躍



パンゾは、フランス有数の短距離選手を輩出してきたマルティニーク出身です。1977年のヨーロッパジュニア陸上競技選手権大会では、100mで10秒40のヨーロッパジュニア記録を樹立して優勝しました。同年には、4×100mリレーでも39秒69のヨーロッパジュニア新記録を樹立しています。

モスクワオリンピックでのメダル獲得



1980年のモスクワオリンピックでは、100mと4×100mリレーに出場しました。アメリカをはじめとする西側諸国のボイコットが相次ぐ中、パンゾは100mで決勝に進出し、8位入賞を果たします。さらに、4×100mリレーでは、アントニー・リシャール、パスカル・バレ、パトリック・バレと共にメンバーを組み、38秒53で銅メダルを獲得しました。

その後の競技生活と引退



1981年には、ベルリンで行われた大会の100mに出場し、10秒14で優勝。オリンピックチャンピオンのアラン・ウェルズやアメリカの選手を抑えての勝利でした。(このレースには、カナダのベン・ジョンソンも出場していました。)

しかしその後は、度重なる怪我に苦しみます。1982年には、太ももの故障によりシーズン当初から競技に出場できず、優勝候補と目されていたヨーロッパ選手権を欠場しました。その後も怪我に悩まされ、1984年に現役を引退しています。

引退後



引退後はマルティニークに帰郷し、スポーツの普及に努めていましたが、1999年に脳血管の疾病により41歳の若さでこの世を去りました。

パンゾは、その短い生涯の中で、フランス陸上界に大きな足跡を残しました。特に、モスクワオリンピックでの銅メダルは、フランス国民に大きな感動を与えました。彼の功績は、今もなお語り継がれています。

主な実績



1977年 ヨーロッパジュニア陸上競技選手権大会 100m 優勝(10秒40:ヨーロッパジュニア記録)
1980年 モスクワオリンピック 4×100mリレー 銅メダル(38秒53)
1981年 ベルリン国際陸上競技大会 100m 優勝(10秒14)

外部リンク



エルマン・パンゾ - Olympedia (英語)
エルマン・パンゾ - Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ (英語)
エルマン・パンゾ - 国際陸上競技連盟 (英語)
* エルマン・パンゾ - French Athletics Federation (フランス語)

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