エルンスト (オーストリア公)

エルンスト（Ernst, 1377年 - 1424年6月10日）は、ハプスブルク家の内オーストリア公であり、シュタイアーマルク、ケルンテン、クラインを統治しました。「鉄公（Ernst der Eiserne）」の異名を持ち、後の神聖ローマ皇帝フリードリヒ3世の父として歴史に名を残しています。

生涯

エルンストは、内オーストリア公レオポルト3世とヴェルデ・ヴィスコンティの間に生まれた三男でした。長兄ヴィルヘルムの死後、所領を相続し、内オーストリア公としての地位を確立します。彼の治世は、領土の安定と発展に貢献しました。

1392年、エルンストはポメラニア公ボグスワフ5世の娘マルガレーテと結婚しましたが、残念ながら子をもうけることなく死別しました。その後、1412年にマゾフシェ公シェモヴィト4世の娘ツィンバルカと再婚し、この結婚で多くの子供たちに恵まれました。その中には、後の神聖ローマ皇帝となるフリードリヒ3世（オーストリア大公としては5世）や、アルブレヒト6世などが含まれます。

興味深いことに、ツィンバルカの父であるシェモヴィト4世は、かつてエルンストの兄ヴィルヘルムとの婚約を破棄されたポーランド女王ヤドヴィガが、その後結婚相手として検討した人物でもありました。この事実は、当時のヨーロッパの王侯貴族間の複雑な人間関係を物語っています。

子女

ツィンバルカとの結婚により、エルンストは以下に示す多くの子女をもうけました。

フリードリヒ3世（1415年 - 1493年） - 神聖ローマ皇帝
マルガレータ（1416年 - 1486年） - ザクセン選帝侯フリードリヒ2世と結婚
アルブレヒト6世（1418年 - 1463年）
アレクサンドラ（? - 1420年）
ルドルフ（? - 1424年以前）
レオポルト（? - 1424年以前）
カタリーナ（1424年 - 1493年） - バーデン辺境伯カール1世と結婚
アンナ（? - 1429年）
* エルンスト（? - 1432年）

これらの子供たちは、それぞれの時代において重要な役割を果たし、ヨーロッパの歴史に深く関わっていきました。特に、フリードリヒ3世の皇帝即位は、ハプスブルク家の勢力を拡大する上で大きな転換点となりました。

エルンスト鉄公は、内オーストリア公としての統治、そして多くの子孫を通じて、ハプスブルク家の繁栄に大きく貢献した人物として、記憶されるべきでしょう。

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