エルンスト・アウグスト (ブラウンシュヴァイク公)

エルンスト・アウグスト（1887年 - 1953年）は、ブラウンシュヴァイク公国の最後の公として知られ、またハノーファー王家の家長としても名を馳せました。彼はブラウンシュヴァイク公国の要求に応じる形で公位を引き継ぎ、第一次世界大戦を経てその権力を失いました。

出生と背景

エルンスト・アウグストは1887年11月17日にオーストリアのウィーンで、父は元ハノーファー王太子のエルンスト・アウグスト（2世）、母はデンマーク王クリスチャン9世の王女テューラの間に生まれました。ハノーファー王家は、イギリス王族とも深い縁があり、彼自身もイギリスの貴族位を保持していました。エルンスト・アウグストは家族内で法定相続人とされましたが、兄たちが早逝したことでその地位がより強固なものとなりました。

公位取得の経緯

ブラウンシュヴァイク公位は1884年に空位となり、その後の政治的な動きの中で、エルンスト・アウグストの父が公位継承権を主張しました。しかし、帝国宰相のビスマルクの介入により、プロイセン王子が摂政として任命され、この権利は認められませんでした。1906年、その後の経緯や公位継承権に関する提案も無視され、事態は膠着状態に陥ります。

結婚と公位即位

1913年、エルンスト・アウグストはドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の娘であるヴィクトリア・ルイーゼと結婚しました。この結婚式には多くのヨーロッパの君主たちが参列する一大イベントとなりました。さらにその後、同年の10月には父がブラウンシュヴァイク公位への継承権を放棄し、エルンスト・アウグストが正式に公位を得、ブラウンシュヴァイク公に即位しました。

第一次世界大戦と退位

第一次世界大戦中、エルンスト・アウグストは軍務に就いており、戦争の終息を迎えると共に、ドイツ革命の影響も受けて1918年11月8日に退位を決定します。これにより彼は、その後はイギリス王ジョージ5世によって爵位を剥奪され、父からの血筋であったカンバーランド公としての名誉も失うこととなりました。

晩年と子孫

1953年にハノーファーのマリエンブルク城で息を引き取りましたが、彼の家族と子供たちの存在は永続的な影響を与え続けました。エルンスト・アウグストとヴィクトリア・ルイーゼの間には5人の子供が生まれました。特に、彼の息子たちはハノーファー王家の家長グループの中で重要な役割を担っていくことになります。いずれも、歴史的に重要な家族としての位置を占めたのです。

このように、エルンスト・アウグストの人生は、政治的な状況、家族の歴史、そして彼自身の登場人物として、近代欧州の複雑な歴史の中にかなりの影響を及ぼしました。彼の物語は単なる個人の人生に留まらず、時代背景と密接に結びついたものであり、その影響は未だ続いていると言えるでしょう。

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