エルンスト・ギュンター・フォン・シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン＝ゾンダーブルク＝アウグステンブルク

エルンスト・ギュンター・フォン・シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン＝ゾンダーブルク＝アウグステンブルク

エルンスト・ギュンター・フォン・シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン＝ゾンダーブルク＝アウグステンブルク（1863年8月11日 - 1921年2月22日）は、ドイツ＝デンマーク系のシュレースヴィヒ＝ホルシュタイン＝ゾンダーブルク＝アウグステンブルク公爵家の家長であり、名目上のシュレースヴィヒ＝ホルシュタイン公でした。ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の義弟としても知られています。

生涯

エルンスト・ギュンターは、アウグステンブルク公爵フリードリヒ8世と、その妻アーデルハイト（ホーエンローエ＝ランゲンブルク侯エルンスト1世の娘）の三男として、ドルツィヒ・イン・デア・ラウジッツで生まれました。しかし、二人の兄が夭折したため、公爵家の後継ぎとなりました。母方の祖母フェオドラ・ツー・ライニンゲンはイギリスのヴィクトリア女王の異父姉であり、長姉のアウグステ・ヴィクトリアはドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の皇后でした。

1896年、エルンスト・ギュンターとベルリン社交界の中心人物であったヒルデガルト・フォン・シュピッツェンベルク男爵夫人の娘、ヨハンナ・フォン・シュピッツェンベルクとの恋愛関係が噂になり、ドイツ帝室は大きく動揺しました。二人の結婚が検討されましたが、ドイツ皇帝夫妻の断固たる反対により、この貴賤結婚は実現しませんでした。その後、1898年8月2日にコーブルクにおいてザクセン＝コーブルク＝ゴータ公子フィリップの娘ドロテアと結婚しました。ドロテアはベルギー王レオポルド2世の孫娘で、ブルガリア王フェルディナントの姪でもありました。

エルンスト・ギュンターは、常軌を逸するほど性的に乱れた生活を送っていたと伝えられています。売春宿に通い詰めるなど、その奔放な行動からベルリン宮廷では「雄羊公爵」と揶揄されていたようです。しかし、彼のこうした行状は、当時のマスコミの自主規制や宮廷の緘口令によって注意深く隠蔽されていました。一方で、1891年に起きた皇帝の側近たちのスキャンダル暴露事件であるコッツェ事件については、エルンスト・ギュンターは側近たちを非難していたとされています。

1921年、エルンスト・ギュンターはシュレージエンのプリムケナウの所領で亡くなりました。妻ドロテアとの間に子供がいなかったため、アウグステンブルク公爵家の家督は従弟のアルベルトが引き継ぎました。

エルンスト・ギュンターの生涯は、公的な立場と私的な生活のギャップ、そして当時の社会におけるスキャンダルの隠蔽工作など、様々な側面から興味深い人物像を浮かび上がらせます。

参考文献

* Elizza Erbstößer, Auguste Victoria. Deutschlands letzte Kaiserin, Erfurt 2008.

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