エルンスト・フリードリヒ (バーデン＝ドゥルラハ辺境伯)

エルンスト・フリードリヒ：バーデン＝ドゥルラハ辺境伯

エルンスト・フリードリヒ（1560年10月17日 - 1604年4月14日）は、16世紀後半にバーデン＝ドゥルラハ辺境伯として領地を統治した人物です。彼の治世は、領土の分割、宗教改革、そして皇帝との対立といった出来事に特徴づけられます。

生涯

エルンスト・フリードリヒは、カール2世とアンナ・フォン・プファルツ＝フェルデンツの長男として生まれました。父の死後、未成年であったエルンスト・フリードリヒの代わりに、母アンナ、プファルツ選帝侯ルートヴィヒ6世、プファルツ＝ノイブルク公フィリップ・ルートヴィヒ、ヴュルテンベルク公ルートヴィヒらが摂政としてバーデン＝ドゥルラハ辺境伯領を統治しました。

領土の分割

エルンスト・フリードリヒとその弟ヤーコプは、領地を分割してそれぞれが統治することを望んでいました。父カール2世は遺言で領土の分割を禁じていましたが、遺言が未完成であったため、摂政たちは最終的に2人の要求を認め、領土を分割することにしました。エルンスト・フリードリヒは、ドゥルラハとプフォルツハイムを含むニーダー・バーデンを獲得しました。領土はさらに分割され、弟のヤーコプとゲオルク・フリードリヒもそれぞれ領地の一部を譲り受けました。ヤーコプの死後、1590年にバーデン＝ハッハベルク辺境伯領はエルンスト・フリードリヒに戻されました。最終的に末弟ゲオルク・フリードリヒがエルンスト・フリードリヒの死後、バーデン＝ドゥルラハ辺境伯領全土を統合することに成功しました。

カルヴァン派への改宗と対立

エルンスト・フリードリヒは、ルター派からカルヴァン派に改宗しました。この改宗は、皇帝との間に深刻な対立を引き起こしました。さらに、オーバー・バーデンを占領したことが、皇帝との対立をさらに悪化させました。その結果、ニーダー・バーデンは損害を受け、最終的には領土の一部を失うことになりました。

業績と影響

エルンスト・フリードリヒは、領内に最初のギムナジウムを設立しました。しかし、カルヴァン派への改宗や領土を巡る争いは、領土に混乱をもたらし、最終的には領土の喪失につながりました。彼の治世は、バーデン＝ドゥルラハ辺境伯領にとって、波乱に満ちた時代であったと言えるでしょう。

結婚

エルンスト・フリードリヒは、1585年12月21日にオストフリースラント伯エッツァルト2世の娘アンナ・フォン・オストフリースラントと結婚しました。アンナは、後見人であったプファルツ選帝侯ルートヴィヒ6世の未亡人でした。しかし、この結婚で子供は生まれませんでした。

エルンスト・フリードリヒの生涯は、16世紀のヨーロッパにおける宗教的、政治的な対立の中で、翻弄された領主の姿を浮き彫りにしています。

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