エルヴィス・オン・ステージVol.3

『エルヴィス・オン・ステージVol.3』は、エルヴィス・プレスリーが1969年のラスベガス公演で披露したライブ音源を収録したアルバムです。このアルバムは、もともと『バック・イン・メンフィス』との2枚組アルバム『エルヴィス・イン・パースン(From Memphis to Vegas/From Vegas to Memphis)』の一部としてリリースされましたが、1970年のカタログ整理時に別々の作品として扱われるようになりました。

『エルヴィス・イン・パースン』は、アメリカのアルバムチャートで最高12位を記録するなど、高い評価を得ています。

1961年3月25日のハワイ公演以来、約8年ぶりにコンサート活動を再開したエルヴィスは、1969年7月31日から8月28日まで、ラスベガスのインターナショナル・ホテルで伝説的な公演を行いました。1日2回公演（ディナーショーとミッドナイトショー）を基本とし、初日のみ関係者向けの特別公演を含め、合計57回の公演を実施。この公演は、1956年4月23日から5月6日の初公演以来、13年ぶりにエルヴィスがラスベガスのステージに帰ってきた瞬間でもありました。

アルバムには、この公演の中から、1969年8月24日から26日にかけて録音されたライブ音源が収録されています。このシーズン、合計10万1500人の観客が訪れ、入場料収入は152万2635ドルを記録しました。これは、当時のラスベガスにおける観客動員数と入場料収入の記録を大幅に更新するものでした。

ラスベガス公演に際し、エルヴィスの長年のバックコーラスグループであるザ・ジョーダネアーズにも出演依頼がありましたが、彼らのスケジュール都合でナッシュビルを1ヶ月離れることができなかったため、出演は実現しませんでした。ジョーダネアーズのリーダーであるゴードン・ストーカーは、この件について「自分の生涯で最も残念な出来事の一つだ」と語っています。そのため、映画『カルフォルニア万才』やアルバム『ゴールデン・ヒム』でバックコーラスを務めたジ・インペリアルズが代わりに選ばれました。

2010年には、『エルヴィス・オン・ステージVol.2』とのカップリングでボーナストラックを加えた『エルヴィス・オン・ステージ レガシー・エディション(英題On Stage: Legacy Edition)』がリリースされています。

収録曲は、オリジナル盤ではA面とB面に分かれていましたが、ここでは詳細な曲名リストを省略します。

アルバムのクレジットには、以下のミュージシャンが参加しています。

エルヴィス・プレスリー - ヴォーカル、ギター
ジェームズ・バートン - リードギター
ジョン・ウィルキンソン - リズムギター
チャーリー・ホッジ - ギター、バッキング・ヴォーカル
ロニー・タット - ドラムス
ジェリー・シェフ - ベース
ラリー・マホベラック - ピアノ
ミリー・カーカム - バッキング・ヴォーカル
ザ・スウィート・インスピレーションズ - バッキング・ヴォーカル
ジ・インペリアルズ - バッキング・ヴォーカル
* ボビー・モリス&オーケストラ - オーケストラ

このアルバムは、エルヴィス・プレスリーがライブパフォーマンスでも圧倒的な魅力を放っていたことを証明する貴重な記録と言えるでしょう。

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