エル・シグロ・デ・トレオン

エル・シグロ・デ・トレオン：メキシコ北部を代表する日刊新聞

『エル・シグロ・デ・トレオン』（El Siglo de Torreón）は、メキシコ北部コマルカ・ラグネラ地域、通称ラグナ地域において、最も重要な日刊新聞として知られています。その歴史は1922年に遡り、コアウイラ州トレオンで、アントニオ・デ・フアンベルス・イ・ブラチョによって創刊されました。彼はホアキン・モレノの指導の下、この新聞を立ち上げました。

創刊の背景

1921年、アントニオ・デ・フアンベルスは、コアウイラ州の州都サルティーヨで新聞編集に携わっていました。当時、アーヌルフォ・ゴンサレス大将の州知事選挙立候補を支援していましたが、知事が当選すると新聞は廃刊となってしまいます。しかし、アントニオ・デ・フアンベルスは既に新聞事業での豊富な経験を持っており、ホアキン・モレノからトレオンでの地方紙創刊の計画に誘われます。それが『Defensor de la Comunidad』（「コミュニティの擁護者」の意）という新聞でした。

ドゥランゴ州の州知事からモレノに寄贈された輪転印刷機が、この新聞社の最初の設備となりました。モレノが社長、アントニオ・デ・フアンベルスが副支配人として、新たな新聞事業がスタートしました。

困難な船出

『エル・シグロ』の創刊は、経営資源や人材が不足する中での挑戦でした。1922年9月22日には創刊号を発行する予定でしたが、機械の故障により延期され、ようやく9月28日に街頭で販売が開始されました。

1925年、ホアキン・モレノが健康上の理由で経営から退くと、後任としてメキシコシティの全国紙『エクセルシオール』(Excélsior) での勤務経験を持つホセ・E・カンポスが経営を引き継ぎました。カンポスは様々な改革を行い、新聞を近代化しましたが、地方での新聞経営に馴染めず、メキシコシティに戻ってしまいます。その後、アントニオ・デ・フアンベルスが事業の全権を掌握し、現在に至ります。

相次ぐ襲撃事件

2009年8月18日未明、『エル・シグロ・デ・トレオン』の本社が銃撃される事件が発生し、玄関のドアなどが破壊されました。米州新聞協会 (Inter American Press Association) は、直ちにこの襲撃を非難する声明を発表しました。しかし、犯人は現在も逮捕されていません（2011年11月現在）。

2011年11月15日には、再び襲撃事件が発生し、3人以上の犯人がAK-47で銃撃、建物の外壁などが破壊され、近くの車が炎上しました。国際ペンクラブは、この事件を含むメキシコにおける言論人や言論機関への暴力に対し、メキシコ大統領フェリペ・カルデロンらに宛てたアピールを発表しました。

主要なコラムニスト

『エル・シグロ・デ・トレオン』には、以下の著名なコラムニストが寄稿しています。

Miguel Ángel Granados Chapa
Jesús Silva-Herzog Márquez
Armando Fuentes Aguirre
Francisco José Amparán

外部リンク

* Sitio web de El Siglo de Torreón

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