エル・ドラド (1966年の映画)

エル・ドラド (原題：El Dorado)

1966年に公開されたアメリカの西部劇映画『エル・ドラド』は、名監督ハワード・ホークスによる作品で、ジョン・ウェインとロバート・ミッチャムが主演を務めました。作品は日本でも先行公開され、多くの話題を呼びました。以下に、この映画のあらすじとテーマを詳しく説明します。

あらすじ

物語は、ベテランガンマンのコールがテキサス州の町エル・ドラドを訪れるところから始まります。町の牧場主であるジェイソンからの依頼で向かったコールですが、具体的な仕事の内容は知らされていませんでした。酒場で一息ついていると、保安官の旧友ハラーが突然訪ねてきて、銃を向けてきます。ハラーは、ジェイソンが古くからの牧場主マクドナルド家の持つ水場の権利を争っていることを告げ、コールに戦いに加担しないように警告します。

コールは一旦この争いから手を引く意を固め、ジェイソンに前金を返して帰路につくことに。しかしその途中、コールはマクドナルド家の息子ルークに誤射し、彼を自殺に追い込んでしまいます。この悲劇によって、マクドナルド家との関係がさらに複雑化し、コールはルークを父のケビンに引き渡しますが、娘のジョーイからの反発を受けることになります。

その後、コールは町医者から手当てを受けて傷を癒し、再びエル・ドラドを離れることになりますが、半年後再訪した際に、若いミシシッピという青年と出会います。ミシシッピを助けたことから彼との友情が芽生え、再び水場を巡る争いに関与することになります。コールは、過去に彼が断ったジェイソンの依頼を引き受けざるを得なくなり、親友ハラーを助けるため、再度エル・ドラドに戻ります。

友情と対立

コールは、エル・ドラドに戻った際、娼婦モーディからハラーの悲惨な状態を聞き出します。それによって彼はハラーを救出し、マクドナルド家を守る決意をします。やがて、町はジェイソンの部下に襲われ、コールと彼の仲間は銃撃戦に巻き込まれます。

この戦いは、友情、信頼、勇気のテーマが強調されており、特にコールとミシシッピとの絆が深まる瞬間が印象的です。激しい戦闘の中、彼らは懸命に戦い、マクドナルド家の権利を守ります。最終的に、コールは大ケガを負いますが、彼の奮闘が実を結び、平和がエル・ドラドに戻ることになります。

映画のテーマ

『エル・ドラド』の中心には、水場を巡る争いだけでなく、友情や信頼関係が存在します。コールと仲間たちが困難に直面する中で、彼らの間の絆が試され、成長する様子が描かれています。また、暴力とその影響に対する反省がテーマとして扱われており、単なる西部劇の枠を超えた深いメッセージが感じられます。

この作品は、ただのアクション映画ではなく、人間関係や道徳的選択についても考えさせられる、非常に多面的な映画と言えるでしょう。エル・ドラドの住人たちが迎える平和な結末と、映画を通じて描かれる成長と絆が、視聴者に深い印象を与えるのです。

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