エレキング (アルバム)

カーネーションの3枚目のアルバム『エレキング』（ELEC.KING）は、1991年5月25日に徳間ジャパンからリリースされました。1998年11月21日には、デモ音源を追加収録した再発盤も発売されています。

本作は、ベーシストの馬田裕次が参加した最後のアルバムであり、ギタリストの鳥羽修が新たに加入した最初のアルバムでもあります。メンバーチェンジを経て、新たなサウンドを追求する姿勢が垣間見えます。

アルバムタイトルの裏話として、当初は『ロック・ゾンビ』という案がありましたが、スタッフからの反対により見送られたというエピソードがあります。最終的に『エレキング』というタイトルに決定した経緯も興味深い点です。

また、本作にはバンド史上初となるドラマー矢部浩志による楽曲「悲しきめまい」が収録されています。メンバーの新たな才能が開花した瞬間を捉えた貴重な一曲と言えるでしょう。

収録曲は以下の通りです。

1. からまわる世界
2. パーキング・メーター
3. ビッグ
4. テレフォン・ガール
5. マイ・フェイヴァリット・ボート
6. はだかにはさせない
　　森高千里の「はだかにはならない」の替え歌詞バージョン。
7. ロック・ゾンビ
8. 悲しきめまい
9. ハレハレハレ -偉大なる夜明けの前に-
10. 王様の庭
　　ボーカルは棚谷祐一。
11. モーレツな人 モーレツな恋
　　森高千里の「うちにかぎってそんなことはないはず」の替え歌詞バージョン。森高がゲストヴォーカルで参加。

再発版には、以下のデモ音源が追加収録されています。

1. ダーク・ウォーター（Home Demo）
2. からまわる世界（Home Demo）
3. スリーパー（Demo）
　　「天国と地獄」の原曲。
4. テレフォン・ガール（Demo）
5. 王様の庭（Demo）

特に注目すべきは、森高千里がゲストボーカルとして参加した「モーレツな人 モーレツな恋」です。森高千里の楽曲の替え歌バージョンであり、カーネーションとの異色のコラボレーションが実現した貴重な一曲です。

再発盤に収録されたデモ音源は、アルバムの制作過程を垣間見ることができる貴重な資料と言えるでしょう。「スリーパー（Demo）」は、後に「天国と地獄」として完成された楽曲の原曲であり、楽曲の進化の過程を辿ることができます。

『エレキング』は、カーネーションの音楽性の幅広さと実験精神が結実した作品であり、彼らのキャリアの中でも重要な一枚として評価されています。初期のカーネーションの魅力を堪能できるだけでなく、新たな発見もあるでしょう。

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