エレファントカシマシ5

『エレファントカシマシ5』は、日本のロックバンド、エレファントカシマシが1992年4月8日にEpic/Sony Recordsからリリースした5枚目のオリジナル・アルバムです。前作から約1年7ヶ月ぶりとなる本作は、バンドの音楽性の深化を示す重要な作品と位置づけられています。

概要

アルバムのジャケット写真を手掛けたのは、著名な写真家ハービー山口です。彼の独特な視点が、アルバムのイメージをより印象的なものにしています。全楽曲の作詞・作曲はボーカルの宮本浩次が担当。エレファントカシマシならではの、内省的で力強い歌詞とメロディが際立っています。編曲は、エレファントカシマシ自身が担当し、ストリングスアレンジは村山達哉が担当しています。

収録曲について

アルバムは、全10曲で構成されています。

1. 過ぎゆく日々
重厚なサウンドと宮本の情感溢れる歌声が印象的な楽曲。過ぎ去っていく時間への哀愁と、それでも前へ進もうとする意志が込められています。

2. シャララ
力強いギターリフと、疾走感溢れるリズムが特徴的なナンバー。ライブでの定番曲としても知られています。

3. 無事なる男
憂いを帯びたメロディと、社会への不満を吐き出すような歌詞が印象的な楽曲。人間の弱さや脆さを表現しています。

4. 何も無き一夜
静かで内省的な雰囲気を持つ楽曲。孤独や喪失感をテーマに、夜の静けさの中で繰り広げられる心の葛藤を描いています。

5. おれのともだち
友情をテーマにした、心温まる楽曲。困難な時でも支え合える友の存在を歌っています。

6. 夕立をまってた
夏の夕立を待ちわびる心情を歌った、叙情的な楽曲。郷愁を誘うメロディと、情景描写が印象的です。

7. ひまつぶし人生
退屈な日常を嘆きながらも、何かを求めて生きる姿を描いた楽曲。人生の虚無感と、そこから抜け出したいという願望が込められています。

8. お前の夢を見た（ふられた男）
失恋の痛みを歌った、切ないバラード。愛する人を失った男の悲しみと後悔が、痛いほど伝わってきます。

9. 通りを越え行く
都会の喧騒の中で生きる人々の姿を描いた楽曲。孤独や疎外感を感じながらも、それぞれの道を歩んでいく姿を表現しています。

10. 曙光
アルバムからの先行シングル。絶望の中から希望を見出す力強いメッセージが込められた楽曲。困難を乗り越え、新たな未来へ向かおうとする意志を歌っています。この曲は6thシングルとしてアルバムに先駆けてリリースされました。

『エレファントカシマシ5』は、エレファントカシマシの音楽性の幅広さと深さを改めて感じさせる作品です。彼らの内面世界を深く掘り下げた歌詞と、それを表現する力強い演奏は、聴く者の心を揺さぶります。困難な時代を生きる人々に、勇気と希望を与えるアルバムと言えるでしょう。

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