エンスレイヴド

エンスレイヴド（Enslaved）: ノルウェーのエクストリーム・メタルバンド

エンスレイヴドは、1991年にノルウェーのスヴェイオで結成されたエクストリーム・メタルバンドです。バンド名は、同国の有名なブラックメタルバンド「イモータル」の楽曲「Enslaved in Rot」に由来しています。設立当初は、ノルウェー西部のスヴェイオから活動を始めましたが、現在ではベルゲンを拠点としています。

バンドの歴史

エンスレイヴドは、結成前にデスメタルバンド「フォビア」で活動していたグルトレ・シェルソンとイヴァール・ビョルンソンによって設立されました。彼らはノルウェイジャン・ブラックメタルの原型となるバンドを目指していましたが、その音楽スタイルは一般的なブラックメタルとは異なる独特の作曲法が特徴でした。このため、彼らはブラックメタルバンドと呼ばれるのではなく、エクストリーム・メタルバンドとしての認識を得たいと考えていました。

1997年にリリースされた3rdアルバム『Eld』は、バンドがプログレッシブなスタイルに転換するきっかけとなった重要な作品となりました。その後、2000年には5thアルバム『Mardraum – Beyond the Within』を発表し、プログレッシブな音楽方向を確立します。

さらに、2001年には6thアルバム『Monumension』をリリースし、以後のアルバムでは主に英語で歌詞が作られるようになりました。これ以前の作品ではノルウェー語で歌われていたため、言語的な面でも大きな転換がありました。

2008年には10thアルバム『Vertebrae』が登場し、このアルバムは特に和声面でピンク・フロイドに似ていると評価され、母国の「Spellemann Award」を受賞するという栄誉にあずかりました。これにより、バンドは国内外でその存在感を一層強めました。

近年の活動

2009年にはプログレッシブ・メタルバンド、オーペスとの北米ツアーを行い、2011年には二枚のEPをリリースし、アメリカやカナダでの20周年ツアーを成功裡に終えました。この年にはノルウェー政府公認の「Norwegian Artist & Songwriters Association Honorary Award」も獲得し、音楽産業への貢献が認められました。2012年には12枚目のアルバム『RIITIIR』をリリースし、国内盤も発売されるなど、さらなる進化を遂げます。

2016年には13枚目のアルバム『IN TIMES』を発表し、初の来日公演を果たしました。その後2017年には14thアルバム『E』をリリースし、同年にはドラマーとしてイーヴェル・サンデイが加入するなど、メンバーの変遷も見られます。

音楽スタイルと歌詞のテーマ

エンスレイヴドの音楽は、初期のブラックメタルサウンドから次第に進化し、現在ではクリーンヴォーカルやキーボードの導入が見られます。このスタイルは、オーペスと比較されることも多く、進化したプログレッシブな作風が特徴です。歌詞のテーマとしては、北欧神話をしばしば取り上げており、神話や哲学に深く根ざした内容が多くのリスナーに感銘を与えています。

バンドの中心的人物であるシェルソンは「ブラックメタルとは何か」という問いに対して、ヴェノムと並行して生まれたとし、さまざまな音楽スタイルを包括する可能性についても言及しています。彼は、ブラックメタルが時代によって異なる側面を持つことを認め、その柔軟性を強調しています。

メンバー

エンスレイヴドの主なメンバーには、ボーカルとベースのグルトレ・シェルソン、ギターとキーボードのイヴァール・ビョルンソン、2002年から参加しているギターのアルヴェ・

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