エンタープライズ (TRPG)

エンタープライズ

『エンタープライズ』は、日本で1983年に発売された、著名な『スタートレック』を原作としたサイエンスフィクション・ロールプレイングゲームです。作品は多摩豊によってデザインされ、ツクダホビーからボックス版で提供されました。このゲームは、日本における初期のテーブルトークRPGの一つと見なされており、当時としては革新的なシステムを取り入れています。

ゲームの基本

『エンタープライズ』は、主に惑星探索と戦闘をテーマにしたSFテーブルトークRPGです。しかし、宇宙空間や宇宙船に関する詳細なルールは備わっていません。プレイヤーは、マスターキャラクターと出会い、戦闘を通じて相手を打ち負かすだけでなく、交渉を行うことで仲間にすることができます。これはゲームの大きな特徴となっています。

ゲームの製品番号は「HG-014-R」であり、他の同時期の作品である『ローズ・トゥ・ロード』や『スタークェスト』よりも早くにリリースされました。リリース当初から『エンタープライズ』は、その革新性と楽しさで多くのファンを魅了してきました。

システムの詳細

行為判定

ゲーム内での行為判定は、パーセンテージを使ったロール制度を取っており、100面のサイコロ（1D100）を用います。このシステムにより、プレイヤーは自らの行動が成功するかどうかをリアルに感じることができます。

交渉

交渉はこのゲームにおいて非常に重要な要素です。プレイヤーはマスターキャラクターに話しかけ、彼らを仲間にするためのアプローチを選びます。交渉の態度には「優位」「対等」「だます」の3つがあります。これらはプレイヤーキャラクターとマスターキャラクターの性格（アライメント）に基づき、適切な態度を選ぶことが要求されます。正しい態度を選んだ場合、指定される行為判定を行い、その成功により対象を味方にできます。

例えば、プレイヤーキャラクターが「ロジカルグッド(LG)」で、相手が「エモーショナルバッド(EB)」の場合、交渉の態度は「だます」が適切となります。

キャラクターの設定

キャラクターは多様な能力値によって定義され、これには以下の5つが含まれます。
1. ST（体力）
2. DX（器用さ）
3. IQ（知力）
4. CH（カリスマ）
5. LU（運）

キャラクターの人種は、アンドリア人、クリンゴン人、バルカン人など、さまざまな異星人の種類があり、プレイヤーはそれを選ぶことができます。これにより、各キャラクターの背景や能力にも個性が与えられます。

アライメントとスペシャルアビリティー

アライメントは、キャラクター間の動的な関係性を示す要素で、5つのタイプ（LG、LB、N、EG、EB）で分類されます。これがゲーム内の交渉や行動などに大きな影響を与えます。また、キャラクターは特殊能力（スペシャルアビリティー）を持ち、この能力は学習や訓練を通じて獲得できます。

まとめ

また、『エンタープライズ』はそのリリース以降、多くのファンに支持され続けており、SFテーブルトークRPGジャンルの先駆けとして特別な地位を築いています。このゲームは、その独自なシステムと、深いキャラクター設定が印象的であり、プレイヤー同士のコミュニケーションや戦略が求められる楽しさが魅力です。

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