エンドミル

エンドミルは、金属などの材料を切削加工する際に使用されるフライスの一種で、切削工具として広く知られています。ドリルと似た形状をしていますが、その用途には大きな違いがあります。ドリルが主に軸方向に穴をあけるのに対し、エンドミルは主に側面の刃を使って材料を削り、穴を広げたり、平らな面を作り出すために使われます。

エンドミルの特徴として、刃の形状や数が多様であることが挙げられます。一般的なエンドミルは2枚、3枚、4枚の刃を持つものが多いですが、外周に多数の刃を持つものも存在します。使用を続けると刃先が摩耗したり欠けたりしますが、先端を研磨することで再利用が可能です。エンドミルは、金型や機械部品などの製造において、その高い加工精度と効率性から不可欠な工具となっています。

エンドミルには、様々な種類があります。

フラットエンドミル

先端が平らな形状のエンドミルで、水平面や垂直面を削るのに適しています。刃は外径部に構成されており、平面の加工に用いられます。ただし、下部の刃が弱いため、Z軸方向への加工にはボールエンドミルが推奨されることがあります。フラットエンドミルは、スクエアエンドミルとも呼ばれます。

ボールエンドミル

先端が球状になっているエンドミルで、主に曲面を削るのに用いられます。特に、CAM（コンピュータ支援製造）を用いた加工において、仕上げ加工に広く利用されています。複雑な形状の部品を製造する際に、その滑らかな切削面が求められる場合に選ばれます。

ラフィングエンドミル

フラットエンドミルと同様の先端形状を持ちますが、側面の刃に波状の凹凸があります。これにより、フラットエンドミルよりも大きな切削量を実現できますが、切削面は粗くなる傾向があります。荒削りなど、高速で材料を取り除きたい場合に用いられます。

ラジアスエンドミル

フラットエンドミルの下部コーナー部がR形状になっているエンドミルです。荒取り、中仕上げ、最終仕上げなど、幅広い加工に対応できます。ブルノーズエンドミルとも呼ばれ、多様な加工ニーズに対応できるため、汎用性が高いのが特徴です。

エンドミルは、それぞれの形状や特性を理解し、加工する材料や目的に応じて適切なものを選ぶことが重要です。適切なエンドミルを選ぶことで、加工精度や効率を向上させることができます。

参考情報として、機械加工における5軸加工条件の最適化に関する情報が鹿児島県工業技術センターのウェブサイトで公開されています。エンドミルのより高度な利用方法について深く知りたい方は、こちらも参考になるでしょう。

もう一度検索