エン・カレム

エン・カレムは、イスラエルのエルサレム地区に位置する、歴史と文化が深く根付いた美しい村です。エルサレムの西郊外に広がるこの村は、その名前が示すように、ヘブライ語で「葡萄園の泉」を意味します。その名の通り、周囲を杉や松の木々に囲まれた丘に、石造りの家々が並ぶ風景は、訪れる人々に穏やかな印象を与えます。

元々、アラブ人によって築かれたこの村は、1948年の第一次中東戦争によって住民が避難を余儀なくされました。その後、モロッコやルーマニアから移住してきたユダヤ人たちがこの地で生活を始めました。この歴史的な変遷は、エン・カレムの文化的な豊かさを物語る一端と言えるでしょう。

エン・カレムが特に有名になったのは、6世紀頃から、この地が『新約聖書』の「ルカによる福音書」に記された「ユダの山里」であると信じられるようになったからです。この聖書箇所では、ザカリアとその妻エリサベツ、そして後に洗礼者ヨハネとなる彼らの子供が暮らしていたとされています。このため、エン・カレムはキリスト教徒にとって重要な巡礼地となり、今日に至るまで多くの巡礼者が訪れています。

村には、洗礼者ヨハネ誕生教会をはじめ、聖母マリアが親戚のエリサベツを訪れたとされる場所に建つ訪問教会など、多くの宗教的な施設があります。これらの教会は、エン・カレムの歴史と信仰を色濃く反映しており、訪れる人々に深い感動を与えます。また、近隣のハダッサ病院には、マルク・シャガールが制作した美しいステンドグラス、「シャガールの窓」があり、芸術的な観点からも訪れる価値のある場所となっています。

エン・カレムへのアクセスは、エルサレム中央バスステーションから20番バスを利用するか、ヘルツルの丘からは28番バスを利用するのが便利です。これらのバス路線を利用することで、比較的容易にこの歴史的な村を訪れることができます。

エン・カレムは、その豊かな歴史、信仰、そして美しい自然が融合した魅力的な場所です。この静かで穏やかな村を訪れることで、都会の喧騒から離れ、心身ともにリフレッシュすることができるでしょう。

主要な施設

洗礼者ヨハネ誕生教会：洗礼者ヨハネが生まれたとされる場所に建てられた教会。
訪問教会：聖母マリアがエリサベツを訪れたとされる場所に建つ教会。
ハダッサ病院「シャガールの窓」：マルク・シャガールが制作した美しいステンドグラス。

交通手段

エルサレム中央バスステーションから20番バス
ヘルツルの丘から28番バス

参照項目

訪問教会

外部リンク

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