エージェント夜を往く

アイドルマスター『エージェント夜を往く』：楽曲解説とネットミーム化の軌跡

『エージェント夜を往く』は、バンダイナムコエンターテインメント（旧ナムコ）のアイドルマスターシリーズに収録された楽曲です。元々はアーケードゲーム『THE IDOLM@STER』で、菊地真（声：平田宏美）の持ち歌として登場しました。

楽曲の概要

この曲は、眠れない夜に現れる「エージェント」という謎の存在をテーマにしています。しかし、この楽曲が広く知られるようになったきっかけは、双海亜美 / 真美（声：下田麻美）が歌うバージョンでした。

インターネット・ミーム「とかちつくちて」

双海亜美と真美が歌うバージョンでは、歌詞の「溶かし尽くして」が「とかちつくちて」と聞こえる空耳が発生し、これがインターネット・ミームとして爆発的に広まりました。このミームをきっかけに、双海姉妹は「とかち」と呼ばれるようになり、そこから北海道十勝地方を連想するファンが現れました。

地方競馬とのコラボレーション

ミームが思わぬ形で発展し、帯広市のばんえい競馬では、双海姉妹をイメージした個人協賛レースが開催されるまでになりました。さらに、テレビアニメの企画『リアル765プロ企画』では、2011年にばんえい十勝との正式なコラボレーションが実現しました。

制作秘話

アスキーの千駄木和弘氏によれば、「とかちつくちて」というフレーズは意図的なものではなく、偶然の産物だったようです。また、下田麻美さんはインタビューで、「純粋だけどちょっとエッチで意地悪な性格を意識して、曲のエロチックな部分をからかうように誇張して歌った」と語っています。しかし、「とかちつくちて」というフレーズになったことについては「決して狙ったわけではない」と述べています。

楽曲の評価

アキバ総研にコラムを寄せた中里キリ氏は、「エージェント夜を往く」について、「全体としてはやりたい放題やっているのだけれど、タイトなキックが刻むリズムは音ゲーとしての収まりはいいという、不思議かつ絶妙なあんばいの楽曲」と評価しています。

まとめ

『エージェント夜を往く』は、元々はゲームの一曲でしたが、インターネット・ミームをきっかけに思わぬ広がりを見せました。楽曲自体の魅力に加え、ファンの創造性や地方競馬とのコラボレーションなど、様々な要素が組み合わさって、今日まで愛される楽曲となっています。

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