オウマガトキFILM

オウマガトキFILM

オウマガトキFILMは、日本の愛知県を活動拠点とするホラーエンターテイメント番組、または心霊検証チャンネルとして知られています。中心メンバーは、メインパーソナリティを務めるヒロ、トモ、そしてカメラマンのTの3名。彼らは共に、日本各地に点在する心霊スポットや、過去に何らかの出来事があったとされる曰く付きの場所へ実際に足を運び、その真偽や実態を検証する活動を行っています。

チャンネル概要と活動スタイル

彼らの投稿する動画は、その内容に応じた恐怖度を甘口、中辛、辛口、激辛、超激辛の5段階で表示しており、視聴者が映像を選ぶ際の目安となっています。活動は2020年1月に開始され、そのリアリティあふれる描写と容赦ないホラー展開が反響を呼び、2021年5月にはチャンネル登録者数が20万人を突破しました。メインチャンネルのほかにも、サブチャンネル「逢魔時ノ裏通り」を開設し、活動の幅を広げています。数多くの心霊系コンテンツが存在する中で、オウマガトキFILMは徹底して「ホラー」に特化しており、その映像の怖さから、時にはニュースサイトなどで特集記事として取り上げられることもあります。

メンバーは、勘違いされやすい地元や学生時代の繋がりではなく、それぞれがホラーやオカルト、心霊スポット巡りといった共通の趣味を通じてSNSで交流を深め、オフ会での対面を経てグループを結成しました。彼らは3名とも専業YouTuberではなく、社会人として別の仕事で生計を立てています。そのため、YouTubeでの活動はあくまで「趣味や好きなことの延長」と位置づけており、動画の投稿頻度も数ヶ月に一度と比較的低い傾向にあります。

主なメンバー紹介

ヒロ: 1988年9月17日生まれ（36歳）。メインパーソナリティとして企画立案から編集までを手掛けます。ホラーやオカルトに関する知識が豊富で、YouTubeを始める以前から一人で心霊スポットを探索していました。過去に不動産関連の仕事に就いていた経験があり、その繋がりから事故物件や空き家に関する情報を得ることが多いようです。
トモ: 1986年3月25日生まれ（39歳）。ヒロと共に心霊スポット巡りを重ねる中で交流を深め、YouTube活動を始めました。「死ぬまでに一度幽霊に会ってみたい」という強い好奇心を持ち、番組内で行われる単独実証実験にも積極的に参加します。動画中の発言から、不定期勤務やシフト制の仕事に就いていることが推測されます。
* Tさん: 1986年8月17日生まれ（38歳）。カメラマンとして撮影を担当し、サブチャンネルの編集も行っています。メンバーの中で最もホラーやオカルトが苦手とされていますが、心霊現象を捉えるカメラワークには定評があります。顔出しはしておらず、既婚者です。趣味はギターで、その腕前はかなりのもの。YouTube生配信では、その天然な一面が垣間見え、癒やし系のキャラクターとして親しまれています。トモに誘われて活動に参加した経緯があり、心霊が苦手ながらも、メインの二人に劣らぬ不可解な現象を映像に収めることが多いです。

注目の検証事例

オウマガトキFILMの動画の中でも特に話題となった事例をいくつか紹介します。

ヤバい事故物件1週間住み込みチャレンジ (辛口-激辛)

過去に二度の殺人事件が発生したとされる事故物件での1週間に及ぶ住み込み検証企画。短期間で入居者が次々と入れ替わるというその部屋で、メンバーは本物の心霊体験を求めます。チャレンジ開始からわずか3日目にして、部屋の異常性と悍ましい気配が顕在化し始め、彼らの身に様々な怪異が降りかかります。

密着・事故物件に住むということ (中辛)

怪奇現象が頻発する事故物件に暮らす一人の男性に密着したドキュメンタリー色の強い企画です。男性がなぜその部屋を選び、なぜ今もそこに住み続けているのか。密着取材を通して、その謎が徐々に解き明かされていきます。男性自身の抱える内面の葛藤と、部屋に渦巻く怪異の関連性が探られます。

密着対象となった田口健人さん（仮名）は、ヒロの知人を通じてオウマガトキFILMに相談を持ちかけました。以前の居住者が心理的な問題を抱えて自殺した部屋であると聞かされていましたが、家賃の安さに惹かれ転居。しかし、入居後まもなく不眠症や精神的な不調に悩まされ、心療内科に通院し、生活保護を申請するまでに至っていました。オウマガトキFILMの活動を知り、自身の不調が部屋と関係あるなら早急な転居を検討したいとの意向でした。田口さんの過去（対人関係の不調や転職経験）に共感したトモとの交流が深まり、彼の表情に笑顔が戻る変化も見られました。部屋内部には、入居当初から清掃が行き届いていない点や、見覚えのない遺留品が残されているといった違和感がありました。特に不気味なのは、管理会社に処分を依頼しても応じられなかった3冊の本です。定点カメラでの調査では、田口さんが金縛りのように苦しむ様子や、彼ら以外の何者かの存在を示唆する映像（人の脚や「溶けた人の顔」のように見えるもの）が記録されました。事態は急変し、ある深夜、田口さんからの緊急連絡で駆けつけると、彼は極度に怯え、部屋からは強烈な腐敗臭が漂い、何故か通電していませんでした。鏡が隠されているといった異常な状況を目の当たりにし、ヒロは田口さんの不調が部屋の影響であると断定し、早急な転居を促します。残されていた本の一つは、ガムテープで封印されカビ臭を発していました。こじ開けると、意味不明な記述や黒塗りされた箇所、謎の絵が描かれており、本能的に危険を感じるものでした。田口さんを安全な場所へ避難させた後、単独で検証を続けたヒロは、本の内容が自己啓発風でありながらも自殺を助長するようにも解釈でき、前の居住者の底知れない憎悪を感じ取ります。単独検証中にも何者かの気配を察知しましたが、安全を優先し撤収。田口さんはその後すぐに転居しました。後日、田口さんの墓参りに同行したトモは、彼の父親との確執が長い間心残りであったことを知ります。ヒロは一連の現象について、田口さんの「心の隙間」に、前の居住者が遺した本を媒介として入り込もうとしたのではないか、異臭は長い間発見されなかった遺体の腐敗臭であり、「溶けた顔」も腐敗によって変形した姿ではないか、と仮説を立てます。また、本にあった「決断の日」という日付から、最初の事故から「呪いの連鎖」が始まり、複数の犠牲者が出ている可能性や、金縛り中に聞いた言葉と本に書かれた文面「次はお前の番だからな」が重なる戦慄についても言及しています。

幽霊の出る怖い家 (辛口-激辛)

オウマガトキFILMが調査を依頼されたのは、数年前に家族全員が忽然と失踪して以来、幽霊の目撃情報が相次ぐ家屋でした。一時買い手がついたものの、購入希望者が心霊現象に遭遇して契約が白紙になるほどの曰く付き物件です。この家の怪異と失踪事件の関連性が探られます。

依頼はヒロがかつて勤めていた不動産会社の先輩から持ち込まれました。破格の値段にも関わらず、売主の様子も異常で、すぐにでも手放したい様子でした。数年前に3人家族が失踪し行方不明となっている家が、今回売却に出された経緯です。一度は決まった買い手も、「空き家なのに人の気配がする」「常識では理解できないものを見た」と怒鳴り込んできて契約破棄となったほどです。買い手が残したという家の下見映像には、仏間に足を踏み入れた途端、映像・音声が乱れ、無人の室内で戸棚が開く音や人の気配が記録されており、さらに「浮遊する生首のようなもの」を目撃したことで恐怖のあまり家を飛び出したと語られていました。

ヒロたちはその家へ潜入。入る際に「開けたドアや戸は必ず閉める」という奇妙なルールを提示されました。家の中は埃っぽく、人の出入りがないことが見て取れますが、仏壇の上に神棚が設置され、仏壇が使用されたまま放置されていたり、御守りが散乱していたり、入れ歯が残されているなど異常な状況です。比較的新しい通夜・葬式用の祭壇も残されていました。引っ越しや片付けた様子はなく、ものが残されたまま家族が消えたかのようです。また、提示されたルールに反して、戸棚や押し入れの戸が半開きになっている点も疑問を投げかけました。仏間に戻ると、閉めたはずの横戸が半開きになるという最初の異変が発生します。映像でもトモが戸を閉めたことが確認されており、動揺を隠せないヒロ。再度仏間に向かいカメラを回していると、ガラス戸越しに「人間の生首のようなもの」が浮遊しているのを目撃し、普段冷静なヒロも家から逃げ出しました。

後日、撮影映像を見た不動産会社の先輩も言葉を失い、売主に問い詰めたところ、観念した売主が話を始めました。かつて交流があったという失踪家族の母親から聞いた話として、一人息子が閉めたはずの扉や戸棚が開くことに異常な恐怖心を抱く「隙間恐怖症」のようになり、母親自身も精神的に病んで家を飛び出すように失踪したのではないかという推測を語りました。最近になって再び家を訪れた売主は、新しい祭壇に失踪した両親の遺影が置かれ、線香を焚いた痕跡と匂いが充満しているのを発見したそうです。自分や家族しか入れないはずの家に誰かがいたのかという恐怖から、すぐにでも物件を手放したいと不動産会社に駆け込んだとのことです。

なぜか開かれる扉や戸、残された祭壇や遺影、線香の痕跡、そしてカメラが捉えた「浮遊する生首のようなもの」。それが元々住んでいた家族のものなのか、全く別の存在なのか、身体が欠損した状態で現れる理由は何なのか。多くの謎を残したまま、この家に関する真相は未だ明らかになっていません。

その他の活動

オウマガトキFILMは、YouTubeでの活動に加え、他のクリエイターとのコラボレーションも積極的に行っています。これまでに、千秋さん、STスタジオ、ゾゾゾ（皆口さん、長尾さん）といった面々と共演しています。

また、彼らの活動は様々なメディアで展開されています。2025年公開予定の映画「見える子ちゃん」に出演するほか、エンタメ〜テレではYouTube動画の特別編集版がシリーズ化されて放送されています。地元であるテレビ愛知では、検証動画「幽霊の出る怖い家」が放送され、YouTubeライブとの連動企画も行われました（この際はTさんはリモート参加）。さらに、彼らの活動を原案とした漫画「オウマガトキFILM 視えないものが視える刻」がコミックアルナで連載されており、書籍「なにかがいる～オウマガトキFILM 心霊調査報告書～」も刊行されています。

これらの活動を通じて、オウマガトキFILMは心霊・ホラー界において独自の地位を築き、多くの視聴者にリアルな恐怖体験を提供し続けています。

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