オウム真理教在家信者死亡事件

オウム真理教在家信者死亡事件

概要
オウム真理教在家信者死亡事件とは、1988年9月22日に静岡県富士宮市の富士山総本部道場で発生した過失致死事件です。この事件は、教団関係で初めて発生した死者に関わる案件であり、その後のオウム真理教男性信者殺害事件への道を開くきっかけとなりました。また、教団がその後も数々の犯罪行為に関与することになる初めの一歩としても重要です。

事件は、「百日修行」と呼ばれる非常に過酷な修行を受けていた在家男性信者が、精神的な錯乱に陥り突然暴れ始まることで幕を開けます。このような状況は、長時間にわたって続く修行によるものであったとも、また薬物中毒によるものともされています。
教団の教祖、麻原彰晃は弟子たちに「頭を冷やしてこい」と命じ、彼らはその男性信者を浴室へ運び、逆さにして水に漬けるという行為を行いました。これにより、その信者は意識を失ってしまいました。麻原は後にその知らせを受け、男性信者にエネルギーを送り、残りの信者たちが人工呼吸などの蘇生を試みましたが、その信者は死亡してしまいました。

事件が発生した際、教団は東京都に対して宗教法人としての認可を求めて手続きを行っており、事件の発覚により認可が取り消される可能性が高いことは容易に予想されました。この危機的な状況に麻原は、証拠隠滅の指示を出し、「教団内で焼いてしまえ。他に漏らせばその人間は地獄に落ちる」と語ったとされています。
結果として、男性信者の遺体は焼却された後、粉々にされたうえで精進湖に捨てられました。麻原はこの件について「いよいよこれはヴァジラヤーナに入れというシヴァ神の示唆だな」とつぶやいたとも言われています。

事件の真相が明らかになり始めたのは、翌1989年のことでした。一部始終を目撃していた別の男性信者が教団からの脱会を希望したことで、教団内部の秘密が明るみに出ることを恐れ、初めて殺人に至る事件としてオウム真理教男性信者殺害事件が発生する結果となりました。

この事件は、オウム真理教の内部で起きた数々の事件の中でも特に重要であり、その後の教団の活動や事件に大きな影響を及ぼしたとされています。
これを契機として、オウム真理教はより一層の犯罪に手を染めていくことになります。教団やその信者たちが抱える問題は、この事件の影響を受けたと言えるでしょう。

参考文献

• - 『オウム法廷1 下』（朝日新聞社 1998年）

関連項目

• - オウム真理教
• - オウム真理教事件
• - オウム真理教男性信者殺害事件 (1989年)
• - オウム真理教女性信者殺害事件 (1991年)
• - オウム真理教男性信者リンチ殺人事件 (1994年)

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