オオオサラン

オオオサランについて

オオオサラン（学名：Eria scabrilinguis）は、ラン科オサラン属に属する常緑の着生ランです。この植物は主に樹木の幹や岩に着生して成長し、美しい花を咲かせます。特に奄美大島においては、9月が花の見頃となります。

特徴

オオオサランの偽球茎は円柱状で、高さは2〜5 cm、直径は1〜2.5 cm程度です。新しい茎は古い偽球茎の基部から横に伸びていきますが、匍匐茎を形成することはありません。葉は偽球茎の先端に2〜3枚付いており、長さは20〜40 cm、幅は1.5〜6 cmの長楕円形をしています。葉の先端は鋭く、葉柄の長さは2〜3 cmです。

花茎は偽球茎の基部から生じ、長さは6〜22 cmで、総状花序を形成します。この花序には、黄白色の花が10個以上咲きます。花の直径は約2 cmで、個々の花の構造に特徴があります。背萼片は約10 mmの長さと2 mmの幅を持ち、卵状三角形の形をしています。側萼片は同じく約10 mmの長さを持ち、幅は5 mmで鎌状三角形の形をしています。これらの側萼片は唇弁の基部で合着し、袋状の形成をします。唇弁は約10 mmの長さ、幅6 mmの卵形をしていて、三裂しています。中央の裂辺は広がりを見せる卵状三角形で、3〜7個の板状隆起が確認できます。先端には赤みが印象的です。ずい柱は直径約3 mmのほぼ円筒形で、花粉塊には小さな柄があります。

果実は長さ約15 mm、幅5〜6 mmの倒卵状円筒形をしています。

生息地と分布

オオオサランは、主に屋久島、種子島、奄美大島、徳之島、沖縄島、そして石垣島に分布しています。また国外では、台湾やベトナム、ラオス、中国南部、ミャンマー、アッサム、ネパールにもその生息が確認されています。

保全状況

しかし、オオオサランは保全上の問題を抱えています。森林伐採や園芸目的での採集が影響し、その数が減少しています。これにより、鹿児島県のレッドリストでは絶滅危惧1類、沖縄県のレッドリストでは絶滅危惧I-B類、環境省の2025年のレッドリストでは絶滅危惧I-A類として評価されています。このような状況を鑑みると、オオオサランの保護が急務であることが分かります。

美しい花を持つオオオサランは、その魅力だけでなく、自然環境を守るためにも重要な存在です。

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