オオセ

オオセ（Orectolobus japonicus）

オオセは、テンジクザメ目オオセ科に属するサメであり、日本近海に自生する数少ない底生性のサメです。この魚は全長約1メートルに成長し、地方名としてキリノトブカなどの呼び名も存在しています。オオセ科の魚は全体で日本近海には一種類だけですが、その体の特徴や生態については十分に研究されていない部分もあります。

分布と生息域

このサメは、西太平洋地域、特に南日本から朝鮮半島、フィリピン、東シナ海、さらには東南アジアにかけて広く分布しています。主に沿岸の水深200メートルまでの砂泥質の底や岩礁、サンゴ礁に生息しており、これらの多様な環境で見られます。日本に関しては、かつてはオオセ科の3種類が確認されていましたが、後藤（2008）による研究により、クモハダオオセ（O. maculatus）およびカラクサオオセ（O. ornatus）は日本には生息しないことが明らかになりました。

形態

オオセは全長が100センチメートル程度で、体型は上下が押しつぶされたような特徴を持っており、そのため「横に平たく」と表現されることがあります。顔周りの吻は平たく、丸みを帯びていて、口は頭部の前面に広がっています。口の周囲には皮弁と呼ばれる構造があり、このサメ特有の特徴として、皮弁の数は7から10本であり、その先端は二叉に分かれています。噴水孔は涙型で、サイズも大きめです。体色は全体的に褐色で、その表面には薄褐色や濃褐色、灰色の雲状の斑点が大小さまざまに配置されています。

背鰭は2基あり、体の後方に位置し、胸鰭は比較的大きく、臀鰭は尾鰭の近くに付いています。尾鰭の上葉は長く、先端には欠刻が入っていますが、下葉は存在しません。

生態

オオセの生態に関する詳細はまだ解明されていない部分が多く見受けられます。体色の模様はカモフラージュの役立ち、主に夜行性で、海底や岩の隙間などに身を潜めています。彼らは待ち伏せ型の捕食者で、底生の硬骨魚類や甲殻類、他のサメやエイなどを狙って捕まえます。また、オオセは卵胎生であり、一度に最大20から27尾の子どもを産む能力を持っています。妊娠期間は約1年とされています。

人との関わり

日本ではオオセは漁獲対象とされ、食用として利用されています。その他にも、中国、台湾、韓国、ベトナムなどでも漁獲されている事例が報告されています。このサメに近づくことは注意が必要で、咬まれる危険性があるため、十分な注意が求められます。

関連文献もいくつかありますが、今後の研究に期待が寄せられています。

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