オコチャ (お笑い芸人)

日本のピン芸人、オコチャ（本名：冨田 雄大）は、1978年11月21日生まれ。吉本興業の東京本社に所属し、東京NSCの4期生としてお笑いの道へ進みました。同期には森三中、ロバート、インパルスといった現在も第一線で活躍する芸人たちがおり、彼らが「花の4期生」と呼ばれる一方で、オコチャは自らを「闇の4期生」、そして「4期生最後の蕾」と称するなど、独自の立ち位置を築いています。

NSC卒業後のキャリアは波瀾万丈でした。吉本興業に履歴書を紛失されるという珍事に見舞われ、本人が気づかぬまま数年間、所属芸人として正式に扱われていなかった時期があるといいます。活動の場としては、当初から主にライブや舞台が中心でした。ネタの合間に「オコチャッチャ♪」という独特の合いの手を挟むスタイルや、「ボールペンダンス」「腰が抜けて立てない人」といった代表的なギャグを持ち味としています。

メディアへの露出は、先輩芸人であるカラテカ入江が主宰するコンパ集団「入江軍団」の一員として知られるようになりました。テレビ東京系列の番組『やりすぎコージー』などにも、コンパ要員として入江らと共に顔を見せています。自らを「外見普通、中身変態」と評するなど、個性的なパーソナリティも魅力の一つです。

お笑いの舞台に加え、脚本家としての才能も開花させています。神保町花月においては、当初演出に口を出すことから始まったといいますが、やがて冨田雄大名義で数多くの脚本を手がけるようになりました。かたつむりが主演した『マジで忠臣蔵！！』は仙台やルミネtheよしもとで再演されるなど、高い評価を得ています。

無名時代の伝説的なエピソードも語り継がれています。お笑いファンにすらほとんど知られていない時期に、キャパシティ400名の全労済ホールスペース・ゼロで単独ライブを強行。しかし実際の観客は100名程度にとどまり、ライブチケットを金券ショップである大黒屋に持ち込んだものの、買取を拒否されたという逸話があります。また、M-1グランプリでは、複数のピン芸人と大会ごとに異なる即席コンビを組み、1つの大会に複数回出場するといった独特な挑戦も行っていました。

意外な繋がりとしては、お笑い芸人の小島よしおが千葉市立稲毛高等学校の後輩にあたります。小島よしおが入学した当時、オコチャは3年生でした。

トークライブの世界でも異彩を放ちました。特に「犬の心オールナイトトークライブ」では、当初はゲストとして呼ばれていないにもかかわらず、毎回のように押しかけて出演を続けていました。この行動が常態化した結果、オコチャをライブから排除すべきか否かを議論する「駆除裁判」が同ライブ内で実施される事態に発展しました。客席の投票の結果、駆除は不要と決議されましたが、賛成票も少なくなかったことが判明。現在では永久ゲストとしてライブに不可欠な存在となっています。また、2008年には同ライブでのトークの質を巡り、彼を被告とする「裁判」が予告されたこともあります。

活動の幅は地域にも広がりました。2009年1月からは新潟LOTSで定期開催されるライブ「ロッツtheよしもと」の店長に就任し、時には自らネタを披露しています。そして2011年11月からは、2組目（全国で初めて）の「宮城県住みます芸人」として、2015年3月まで東北地方での活動に従事しました。宮城県ではテレビ番組『地元応援バラエティ このへん!!トラベラー』や『OH!バンデス』のコーナーを担当するなど、地元に根差した活動を展開しました。近年では、NHKの地域ドラマや日本テレビ系列の『24時間テレビ』の宮城中継にも出演しています。

このように、お笑い、脚本、地域密着など、多岐にわたる活動を展開し、吉本興業の中でも独自の道を切り開く存在として、オコチャは今日も活動を続けています。

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