オジロワシ

オジロワシ (Haliaeetus albicilla)

オジロワシは、タカ目タカ科に属する大型の猛禽類です。この鳥は、全長70から98センチメートル、翼を広げると180から240センチメートルに達します。その特徴的な外見は、褐色の羽毛で覆われ、頭部は淡い色合い、尾羽は白く短い楔形をしています。オジロワシの尾は12枚で構成されており、その名は尾羽の色に由来しています。幼鳥は全体が褐色から黒褐色の羽毛で覆われ、成長するにつれて成鳥の羽毛へと変化します。

分布

オジロワシは主にユーラシア大陸北部に分布し、繁殖期にはこの地域で姿を見せます。冬になると、中華人民共和国の東部やペルシャ湾周辺に南下し越冬します。また、東ヨーロッパや西アジアでも年間を通じて生息しています。日本では主に北部、特に北海道に冬季に飛来し、一部は年間を通して生息しています。環境省の調査によると、北海道では冬季におよそ1,700羽が越冬し、そのうち約140組がつがいを形成しています。

生息環境と生態

オジロワシは海岸や河川、湖沼の周辺で生息します。普段は単独またはペアで生活していますが、冬季には集団での休息も見られます。食性は動物食で、主に魚や鳥、哺乳類を捕食します。また、水中にいる獲物に対しては急降下して捕らえる技術を持ち、場合によっては動物の死骸も食することがあります。

繁殖

オジロワシは3月から4月の繁殖期に木の上や断崖に巣を作ります。巣は枝を組み合わせて作る大型のものです。雌は通常2個の卵を産み、約38日間抱卵します。雛は孵化後70から75日で初飛行をし、その後35から40日後に独立します。また、オジロワシは生後5から6年で性成熟に達し、通常20年以上生きることができると言われています。

人間との関係

オジロワシは日本国内で1980年代以降から増加傾向にあるものの、多くの環境問題に直面しています。森林伐採や河川の開発は営巣地を減少させ、また風力発電施設との衝突や電線による感電死などが懸念されています。日本では1970年に国の天然記念物として指定されており、1993年には種の保存法に基づき国内希少野生動植物種に指定されています。近年では、繁殖率が低下傾向にあるため、絶滅危惧II類に指定されています。

まとめ

オジロワシはその雄大な姿から、多くの人々に親しまれている鳥ですが、環境の変化に対しては脆弱な一面を持っています。持続可能な開発や保護活動が求められています。

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