オストゼーシュタディオン

オストゼーシュタディオン：バルト海の誇りを胸に

オストゼーシュタディオンは、ドイツ・メクレンブルク＝フォアポンメルン州の港町ロストックに位置する、サッカー専用スタジアムです。地元の人気クラブ、ハンザ・[[ロストック]]がホームスタジアムとして使用しており、サポーターにとっては特別な場所となっています。

スタジアムの名前「オストゼー (Ostsee)」は、ドイツ語でバルト海を意味します。その名の通り、スタジアムはバルト海の近くに位置し、地域の象徴として親しまれています。

歴史：市民の協力で築かれたスタジアム

オストゼーシュタディオンは、ロストックが東ドイツ時代だった1954年6月に開場しました。当初は6レーンの陸上トラックを併設した多目的スタジアムであり、建設資金の一部はロストック市民の寄付や慈善活動によって賄われました。

特筆すべきは、建設に携わった人々の熱意です。雇用労働者を除き、約23万人ものボランティアが建設に協力し、その労働力は900万DDR（東ドイツマルク）に相当すると言われています。市民の協力によって築かれたスタジアムは、完成当初からロストック市民の誇りでした。

1954年9月26日には、スタジアムで最初の国際Aマッチとなる東ドイツ代表対ポーランド代表の試合が開催され、0-0のスコアレスドローに終わりました。

近代化と専用スタジアム化

2000年2月、スタジアムの近代化と専用スタジアム化を目指し、大規模な建て替え工事が始まりました。陸上トラックの撤去、スタンドの取り壊し、そして新たなスタンドの建設など、大規模な工事がわずか1年半ほどの期間で完了しました。

2001年8月4日、生まれ変わったオストゼーシュタディオンで、ブンデスリーガのハンザ・[[ロストック]]対バイエル・レバークーゼンの試合が開催され、こけら落としを迎えました。

命名権を巡る騒動と原点回帰

2007年7月2日、国内の金融会社であるドイッチェ・クレディットバンクがスタジアムの命名権を取得し、「DKBアレーナ (DKB-Arena)」と命名されました。しかし、この名称変更はサポーターから強い反発を受けました。

そして8年後の2015年5月15日、ドイッチェ・クレディットバンクは命名権をクラブに返却し、スタジアムの名称は再び「オストゼーシュタディオン」に戻されました。サポーターの思いが企業を動かし、スタジアムは元の名を取り戻したのです。

オストゼーシュタディオンは、単なるサッカーの試合会場ではありません。市民の協力によって建設され、幾多の歴史的な瞬間を見守ってきた、ロストックのシンボルなのです。その名が示す通り、バルト海の誇りを胸に、今日もハンザ・[[ロストック]]の選手たちはこのスタジアムで戦い続けています。

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