オスロ国立美術館

オスロ国立美術館

オスロ国立美術館は、ノルウェーの首都オスロに位置する、美術、建築、デザインを専門とする国立美術館です。正式名称を「国立美術、建築、デザイン展示館」（ノルウェー語: Nasjonalmuseet for kunst, arkitektur og design）といい、そのコレクションは40万点を超えます。

歴史

1836年にノルウェー国会によって創設されたこの美術館は、当初、複数の施設に分かれていました。具体的には、絵画作品を扱う国立美術館、現代美術を専門とする国立近代美術館、建築関連の国立美術館建築部門、そして装飾芸術とデザインを扱う国立装飾美術・デザイン美術館です。これらの施設は、2003年に統合され、国立博物館として再編されました。

当初から、施設の老朽化と展示スペースの不足が問題となっており、1972年と1995年には、トゥリンロッカへの移転計画が検討されましたが、実現には至りませんでした。その後、2008年にオスロ都心のヴェストバーネン地区に新しい本館を建設することが決定され、2022年に開館しました。

新本館の建設

新しい本館の建設は、複数の施設のコレクションを統合し、より充実した展示空間を提供することを目的としていました。建設にあたっては、国際コンペが開催され、ドイツの建築事務所Kleihues + Schuwerkの「Forum Artis」が採用されました。建設プロジェクトには約53億ノルウェークローネの予算が投じられ、総面積1.3万平方メートルという、北欧諸国最大の博物館施設が誕生しました。

建設中には、市民向けのイベントも開催され、建築模型の展示や図面閲覧、建築家との懇談会などが実施されました。しかし、新施設のデザインは、専門家から「監獄のようだ」という批判を受けることもありました。

旧来の現代美術館は2017年9月3日に閉館し、そのコレクションは新館へと移されました。2019年1月13日には、旧国立美術館も一時閉館し、その建物は移転作業のための保管場所として利用されました。2022年6月、新本館は正式にオープンし、多くの来館者を迎えています。

コレクション

オスロ国立美術館のコレクションは、1800年代から1900年代にかけてのノルウェーの画家の作品が中心です。特に、エドヴァルド・ムンクのコレクションは有名で、代表作「叫び」を含む複数の作品が所蔵されています。ムンク以外にも、ゴッホ、モネ、モディリアーニ、ドガ、ルノワール、ピカソ、ロダンなど、ヨーロッパの巨匠たちの作品も数多く所蔵しています。

歴代館長

スネ・ノルドグレン (2003年–2006年)
アン・シェルバーグ (代理, 2006年–2007年)
アリス・ヘレランド (2007年–2008年)
インガー・ペッターセン (代理, 2008年–2009年)
オーダン・エクコフ (2009年–2017年)
カリン・ヒンズボ (2017年–2023年)
* インフリット・ロインズダル (2023年–現在)

施設概要

オスロ国立美術館は、単なる美術館としての機能だけでなく、ノルウェーの美術、建築、デザインに関する学術研究の中心地としての役割も担っています。所蔵作品の保存と修復にも力を入れており、常に最高の状態で作品を展示できるよう努めています。また、展示活動だけでなく、教育普及活動にも力を入れており、子供から大人まで、幅広い層が楽しめるプログラムを提供しています。新しい本館は、より多くのコレクションを展示できるだけでなく、来館者にとって快適で魅力的な空間となるように設計されており、カフェやショップなども併設されています。

まとめ

オスロ国立美術館は、ノルウェーを代表する美術館として、国内外からの多くの来館者を集めています。コレクションの充実度だけでなく、建物の美しさや最新の展示技術にも注目されており、これからもノルウェーの芸術文化を牽引する存在として、重要な役割を果たしていくことが期待されます。

もう一度検索