オズワルド・テシモンド

オズワルド・テシモンドの生涯

オズワルド・テシモンド（Oswald Tesimond、1563 - 1636年）は、イギリスのイエズス会の神父であり、火薬陰謀事件に関連する重要な人物の一人です。彼の人生は、政治と宗教の狭間で揺れ動く激動の時代の産物でした。

前半生

テシモンドは、ノーサンバーランドまたはヨークで生まれたとみられています。教育は、ホース・フェイルにあるウィリアム・アンド・メアリー王立学校で受け、その同級生には後に火薬陰謀に関わるガイ・フォークスなどがいました。17歳の頃には、ローマのイングリッシュ・カレッジで哲学を学び、1584年にはイエズス会に入会しました。

20代の大半をフィリップ・ボーモントという名のもとでイタリアで過ごしたテシモンドは、神学を学んだ後、教鞭を取ることになります。イギリスでの活動を開始する前の1587年に司祭叙階され、1598年にイギリスに帰国し「グリーンウェイ神父」と名乗って宣教活動を展開しました。

火薬陰謀事件

1603年、エリザベス女王の死後、スコットランド王ジェームズ6世（後のジェームズ1世）が即位しました。しかし、カトリックに対する厳しい政策は継続され、これに失望した過激派のロバート・ケイツビーらが議会を爆破する計画を立てました。テシモンドはこの計画に直接加与していなかったものの、首謀者との懺悔室での会話から計画の一部を知っていました。

計画の露見後、テシモンドはヘンリー・ガーネット神父と共に逃亡の道を選びます。事件の発覚とともに、彼は指名手配され、ロンドンの巡視兵から逃れるために様々な手段を講じました。彼が信頼していたガーネット神父と共に行動していたため、彼もまた疑念の目にさらされることとなったのです。

国外逃亡と後半生

逃亡を続けたテシモンドは、エセックスやサフォークの隠れ家を経由し、最終的にはカレーを経てサントメールに辿り着きました。ここで彼は、火薬陰謀事件についての詳細な記録を執筆。この文書は、当事件に関する最も包括的な記録の一つとされています。637年までサントメールに在住した後、テシモンドはメッシーナに職を得て移り住みました。さらに、1621年にはローマにも滞在していました。

最終的にはナポリに移り住んだテシモンドは、1636年にその生涯を終えました。彼の生涯を通じて、イギリスにおけるカトリックへの弾圧や、火薬陰謀事件後の緊張感が溢れており、彼はその中で自らの立場を守るために戦ったことが窺えます。このような宗教的・政治的背景の中で、生涯を捧げた神父としての彼の姿を知ることができます。

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