オトコのコ オンナのコ

小泉今日子のシングル『オトコのコ オンナのコ』の魅力

小泉今日子が1996年10月21日にリリースした38作目のシングル『オトコのコ オンナのコ』は、彼女の音楽キャリアにおいても特に意義深い一曲となっています。この曲は、同名のアルバムからの先行シングルとして発表され、TBS系音楽番組『COUNT DOWN TV|COUNT_DOWN_TV』のオープニング・テーマに起用されました。

背景と制作

リリース当時、小泉は結婚したばかりで、しばらくの間音楽活動を休止していたため、今回のレコーディングは「レコーディングでもしてみましょう」という軽い気持ちでスタートしたといいます。小泉は楽曲について、「メロディーを聴いたら、勝手に『オトコのコ オンナのコ』というフレーズが浮かんでしまった」と回想。しかし、この楽曲はただの恋愛の歌ではなく、彼女は物語を創るように歌詞を書き下ろしたことを明かしています。このような客観的な視点が、彼女の独特なスタイルを生み出していると言えます。

また、作曲には奥田民生が関わっており、小泉が自身で楽曲提供を依頼したことで実現しました。これは1994年にリリースされたシングル『月ひとしずく』以来のコラボレーションでした。奥田は、仕事の依頼を受けた際、シングルとしてのリリースになるとは知らなかったものの、小泉とのコラボレーションには気合を入れて臨んだと述べています。

制作過程

奥田は多忙な日々の中、ツアー前日になって急いで曲を作り、完成したデモテープをスタジオに届けました。このデモテープには「ジェフ・リンっぽくしてください」というメモが添えられており、編曲を担当した菅野よう子は、この指示を基にエレクトリック・ヴァイオリンを取り入れることで曲に独自の味を加えました。彼女はこの曲のアレンジにあたり、奥田の曲の特性を生かしつつ、既存の良さを損なわないよう細心の注意が払われたと言います。

草彅剛のコーラス参加

興味深いエピソードとして、シングルにはSMAPの草彅剛がコーラスとして参加していますが、シングルCDにはクレジットが記されていません。草彅は自身のドラマデビュー作で小泉に非常に良くしてもらったことを述べ、今回のレコーディングで一緒に歌えたことを非常に嬉しく感じたと回想しています。このように、曲には人間関係や思い出が込められているのも一つの魅力です。

収録曲

シングルの収録曲には、表題曲『オトコのコ オンナのコ』の他に、同じく小泉が作詞した『僕の部屋の窓』、そして『オトコのコ オンナのコ』のオリジナル・カラオケが含まれています。

このように『オトコのコ オンナのコ』は、単なる楽曲以上のものをどこかに秘めた作品です。小泉今日子の持つ独自の世界観が見事に表現され、聴く者を引き込む要素が詰まっています。

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