オナッターズ

オナッターズは、1980年代半ばに活動した日本の女性アイドルグループである。

1984年、テレビ朝日系列で放送されていた深夜番組『グッドモーニング』において、番組を盛り上げるマスコット的な存在として結成された3人組の女性アイドルユニットであった。そのグループ名は、同時期にフジテレビ系列で人気を博していた深夜番組『オールナイトフジ』に登場する女子大生グループ「オールナイターズ」を意識し、もじって名付けられたものである。

メンバーは南麻衣子、小川菜摘、深野晴美の3名で構成されていた。結成に至る詳しい経緯は公式には明らかになっていないが、当初は「バッタモン」などとも揶揄されたという。しかし、地道な活動を通じて徐々に知名度を高めていった。ちなみに、グループ名の候補としては「おっ立ちシスターズ」という案も存在したが、「直接的すぎる」という理由で採用されなかったと、後にメンバーの一人であった小川菜摘がインタビュー等で明かしている。また、小川は後に夫となるお笑いタレント、浜田雅功の母親から「オナッターズって何やの？」と問われ、返答に窮したというエピソードも語っている。

主な活動の場は、結成のきっかけとなったテレビ番組『グッドモーニング』であった。しかし、番組出演にとどまらず、音楽活動も展開しており、Japan Records（現・徳間ジャパンコミュニケーションズ）よりシングルおよびアルバムをリリースしている。その歌唱力について、特別に高い評価を得ていたわけではないが、ニッチなニーズに訴求する異端的な存在、いわゆる「B級アイドル」として、ある種の音楽史に貢献したとする見方も存在する。

また、1985年6月には、ポニーキャニオンよりオリジナルビデオ『水平線のマーメイド』を発売している。このビデオはストーリー仕立てとなっており、「地球にタタナイ病が蔓延するのを憂慮したヌルヌル大王が、マニー（南麻衣子）、ナニー（小川菜摘）、ハニー（深野晴美）の3人をオナッターズに任命し、秘宝バッキンを探し出すミッションを課す」という奇抜な設定のもと、3人がゴールデンボールとゴールデンスティックを武器にピンチを乗り越え、最終的にバッキンを手に入れるという内容であった。単なるイメージビデオではなく、劇中には「恋のバッキン！」という楽曲の歌唱シーンや、関西風のコントなども含まれるなど、バラエティに富んだ構成となっていた。

グループを取り巻くエピソードとしては、1985年秋に東京大学で開催された「駒場祭」でのコンサート出演が挙げられる。この出演に対して、女性の性的な魅力を前面に出すタレントを学園祭に招聘することに対し、一部の学生から反対意見が出て大きな論争を巻き起こしたという出来事があった。これは、当時の社会におけるアイドルやメディア表現、学園祭のあり方など、様々な問題提起を含んだ事例として語られることがある。

オナッターズは、結成から約2年後の1986年秋、レギュラー番組であった『グッドモーニング』の終了と時を同じくして解散した。短期間の活動ではあったものの、その特異な存在感や活動内容は、当時のアイドル文化やメディア状況を理解する上で興味深い一例と言えるだろう。

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