オフ・ザ・ウォール (アルバム)

アルバム概要

『オフ・ザ・ウォール』（Off The Wall）は、1979年に登場したマイケル・ジャクソンの通算5作目のオリジナル・アルバムで、音楽界における彼の地位を確立する重要な作品とされています。このアルバムは、2020年版の『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』において、36位にランクインしており、その評価の高さを示しています。

制作背景

本作は初めてクインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎えて制作されたもので、エピック・レコードからは初めてのリリースとなります。マイケルにとっては、モータウン・レコード時代を含めた五枚目のソロ・アルバムであり、此れまでのアルバムとは一線を画しています。従来の作品では、制作側の意向が強く反映され、マイケルは用意された楽曲を歌うだけの立場でしたが、今回のアルバムでは、クインシーがプロデューサーとして主導権を握りながらも、マイケルの独自のアイデアや自作曲が多く盛り込まれています。

アルバムにはロッド・テンパートン、ポール・マッカートニー、スティーヴィー・ワンダーといった一流の作曲家からの楽曲提供があり、さらにバック演奏も経験豊かなミュージシャンが揃っているため、アルバムのクオリティが大きく向上しています。この作品から、真のマイケル・ジャクソンのソロ活動が始まったと言えるでしょう。

ヒットシングル

7月には、「Don't Stop 'Til You Get Enough」が先行シングルとして発表され、マイケルが初めて自ら作詞作曲を手がけた楽曲です。彼は当時、ドラムとピアノを駆使して曲を作り、兄弟たちもデモテープ作成に協力していました。この曲のビデオ・クリップでは、タキシード姿のマイケルが三人に分裂する印象的な映像が話題を呼びました。

10月には「Rock With You」をシングルとしてリリース。この曲では、マイケル自身が多重録音技術を使用し、独自の世界観を表現しています。

チャート成績

『オフ・ザ・ウォール』はビルボード・アルバムチャートで最高3位を記録しましたが、1位を獲得することはありませんでした。しかし、アメリカ国内で800万枚以上の売り上げを達成し、ロングセラー作品としての地位を確立しました。この成功は後に『スリラー』への布石ともなりました。
ビルボード・シングルチャートでは、2曲が1位を獲得し、4曲がトップ10にランクインしています。

収録曲

アルバムには、多彩な曲が収録されています。特に注目されるのは、スペシャルエディションのボーナストラックで、クインシー・ジョーンズのインタビューや、デモバージョンなどが収録されています。これにより、『オフ・ザ・ウォール』が持つ音楽的価値がさらに際立つことでしょう。

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