オブワンディヤグ(ポンティアック)の生涯と抵抗
オブワンディヤグ(Obwandiyag)、または一般に
ポンティアック酋長として知られる人物は、
18世紀に活躍したオタワ族の指導者です。彼は、
1720年頃に現在の
デトロイト川周辺で、オタワ族の父とチペワ族の母の間に生まれたとされています。
17世紀から
18世紀にかけて、オブワンディヤグ率いるオタワ族は
フランス人商人と交易関係を築いていました。しかし、
1689年から
1763年にかけての
フレンチ・インディアン戦争で、オタワ族はフランス側について戦いましたが、
イギリスが勝利し、フランスの砦は
イギリスの手に渡りました。
イギリスの北アメリカ総司令官ジェフリー・アマーストは、インディアンを軽蔑し、交易を制限する政策をとったため、部族の怒りを買いました。
1762年、オブワンディヤグは
イギリスの入植者を一掃しようと、戦士団を組織して決起しました。この動きは
イギリス側から「オブワンディヤグの陰謀」と見なされました。彼の目標は、
イギリスの砦を排除し、インディアンの土地から
イギリス人を追い出し、フランスとの友好的な関係を回復することでした。
デトロイト城砦包囲と戦闘
オタワ族はデトロイト城砦の占領を計画しましたが、
イギリス軍に察知され失敗に終わりました。しかし、オブワンディヤグはデトロイトを包囲し、補給と増援を妨害しました。
1762年7月31日の会戦では
イギリス軍に勝利しましたが、砦を陥落させることはできず、退却しました。他の地域の部族も
イギリスの砦を攻撃し、12の砦のうち8つを陥落させました。
和平とその後
1764年、オタワ族は
イギリスに降伏し、
1766年に和平条約を結びました。しかし、その3年後の
1769年4月20日、オブワンディヤグはピオリア族によって殺害されました。この報復として、オタワ族はピオリア族を攻撃しました。
オブワンディヤグの影響
オブワンディヤグは、部族を扇動した指導者として描かれることもありますが、インディアンの社会では
合議制が基本であり、
酋長は調停役という役割です。彼の名前は、今日の
ミシガン州ポンティアック市や、
自動車ブランドの
ポンティアックなど、様々な形で後世に受け継がれています。
まとめ
オブワンディヤグは、
18世紀の北米における先住民の抵抗運動を象徴する人物です。彼の率いた
ポンティアック戦争は、
イギリスの支配に対する初期の重要な抵抗運動であり、後のアメリカ史にも大きな影響を与えました。彼の勇気とリーダーシップは、今もなお多くの人々に語り継がれています。