オムニアム

オムニアムとは

オムニアム（Omnium）は、ラテン語で「全部」を意味する言葉を語源とする、自転車トラックレースの複合競技です。 1日（以前は2日間）に複数の種目を行い、各種目の成績をポイントに換算し、その合計ポイントで最終的な順位を決定します。

歴史

オムニアムは、世界選手権自転車競技大会では男子が2007年から、女子は2009年から実施されています。当初は5種目でしたが、2010年にエリミネーションが加わり6種目となりました。その後、2016年のルール改正で、1日の実施で4種目を行う形式となりました。

オリンピックでは、2012年のロンドン大会から採用されました。日本人選手では、梶原悠未選手が2017年UCIトラックワールドカップで完全優勝、2020年世界選手権で優勝、2020年東京オリンピックで銀メダルを獲得するなど、目覚ましい活躍を見せています。

現行の種目（4種目）

現在のオムニアムは、以下の4つの種目で構成されています。

1. スクラッチ
男子10km、女子7.5kmの距離で行われる、純粋な着順を競うレースです。全選手が縦一列に並び、号砲とともにスタートします。周回遅れになった選手はコースから離脱します。

2. テンポレース
男子10km、女子7.5kmの距離で行われます。ポイントレースに似ていますが、毎周回ごとに先頭の選手に1ポイントが与えられます。周回遅れの選手に追いつくと20ポイントが与えられます。

3. エリミネーション
スクラッチと同様にスタートし、2周ごと（トラックの長さによって異なる）に最後尾の選手が脱落していくレースです。最後に残った2人で決勝を行います。

4. ポイントレース
男子25km、女子20kmの距離で行われます。250mトラックでは10周ごと、それより長いトラックでは2kmごとにスプリントを行い、ポイントを獲得します。さらに、集団から抜け出して1周回って追いついた場合は20ポイント、遅れて追いつかれた場合20ポイント減点となります。最終的な合計ポイントで順位を決定します。

各種目、1位には40ポイント、2位には38ポイント、以下2ポイントずつ減点され、21位以下には1ポイントが与えられます。最終種目のポイントレースで加算されたポイントが合計され、総合成績が決定します。合計ポイントが同じ場合は、ポイントレースのフィニッシュ順で順位が決まります。

過去の種目（2016年ルール改正以前）

2016年のルール改正以前は、以下の6種目が2日間にわたって行われていました。

1. スクラッチ（男子15km、女子10km）
2. 個人追抜（男子4km、女子3km）
3. エリミネーション
4. タイムトライアル（男子1km、女子500m）
5. フライングラップ（助走をつけて最後の1周のタイムを競う）
6. ポイントレース（男子40km、女子25km）

オムニアムは、短距離から長距離まで、様々な能力が求められる、非常に総合的な競技と言えるでしょう。

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