オユンナ

オユンナ（OYUNAA）

モンゴル国の首都、ウランバートルに生まれた女性シンガーソングライター。1975年11月10日生まれ。本名はダムディンスーレン・オユントゥルフールといい、名前の「オユン」は「知恵」、「トゥルフール」は「カギ」を意味するとされます。その歌声と人柄から「草原の歌姫」という愛称で親しまれています。

人物・活動

オユンナ氏は現在もウランバートルを拠点に活動しています。2001年には同い年のモンゴル人男性と結婚し、2男1女の母となりました。

音楽活動は日本を中心に展開し、その澄みきった歌声で多くの人々を魅了してきました。しかし、彼女の活動は音楽だけに留まりません。母国モンゴルの子どもたちを支援するため、「オユンナ基金」を設立。チャリティーコンサートの開催や、様々な社会福祉活動に積極的に参加し、恵まれない環境にある子どもたちへの支援に尽力しています。また、文化交流の架け橋としての役割も担っており、日本とモンゴルの相互理解促進に貢献しています。

モンゴル出身で元大相撲横綱の朝青龍明徳氏とは親友であり、現役時代には大相撲の場所でゲストとして招かれることもありました。

来歴

オユンナ氏の日本での活動は、1989年8月にさかのぼります。日本で開催された「第7回世界子ども音楽祭」に出場し、見事グランプリを受賞したことから注目を集めました。翌1990年5月には、シングル「天の子守歌」でポニーキャニオンから正式に歌手デビュー。同年11月には2ndシングル「Yes,Happy」がカネボウ化粧品のCMイメージソングに起用され、同日に1stアルバム「オユンナ ОЮУНАА」も発売。

1990年12月には、当時紅組史上最年少としてNHK紅白歌合戦への出場を果たします。この時披露された、清らかで透明感あふれるその歌声は「天使の歌声」と称され、日本におけるモンゴルへの関心を高めるきっかけの一つとなりました。

その後も精力的に音楽活動を続け、多数のシングルやアルバムを発表。映画やテレビ番組の主題歌、イメージソングなども担当しました。1992年9月には日本の同朋高等学校音楽科に留学し、音楽への造詣を深めました（1994年3月卒業）。さらに1998年3月には名古屋音楽大学ピアノ科を卒業、2005年3月には名古屋大学大学院環境学研究科を修了するなど、学業においても意欲的に取り組みました。

チャリティーイベントへの参加も多く、阪神大震災チャリティーコンサートや広島での世界音楽祭、モンゴルでの孤児支援コンサートなど、様々な場面で歌を通じて支援や平和へのメッセージを発信しています。2002年には彼女の歌う「ヒロシマの少女の折鶴」が中学校の英語教科書副教材に採用され、2006年には中学の国語教科書にオユンナ氏自身が題材として掲載されるなど、教育分野でも取り上げられました。

近年では、2013年に台湾でのコンサートツアーを実施。2023年5月には、日本とモンゴルの文化交流への長年の貢献を称え、「歌手 オユンナ」を描いた記念切手がモンゴル国から発行されました。

主な受賞歴

日本国内外でその功績が称えられ、数々の賞を受章しています。

1991年6月：モンゴル国より「文化芸術功労章」
1993年10月：東海テレビより「芸能選奨」
1998年1月：モンゴル赤十字より「平和賞」
1999年1月：モンゴル国より「アルタン・ガダス」（北極星勲章）
2005年12月：モンゴル国から「2005年度 モンゴルの誇り」
2009年6月：モンゴル国から「国家芸術功労者章」
* 2014年11月：日本国から「外務大臣表彰」

ディスコグラフィ

主な作品は以下の通りです。

シングル

• - 天の子守歌 (1990)
• - Yes,Happy (1990)
• - 花 (1991)
• - 初恋 (1992)
• - エージンハイル (1992)
• - 星空はメリーゴーランド (1993)
• - 遠くへ行きたい (1994)
• - 共に生きて (1995)
• - だけどI LOVE YOU (2000)
• - ヒロシマの折鶴〜Paper Cranes〜 (2001) - マキシシングル
• - わすれもの (2010) - マキシシングル

アルバム

• - オユンナ ОЮУНАА (1990)
• - オユンナII黄砂 (1992)
• - 共に生きて (1996)
• - 生命あるものはみな-Human Being- (1998)
• - Wish〜ねがい〜 (2006)

その他、多数のテレビ番組やCMへの出演、関連書籍の発行などを通じて、幅広く活動しています。加藤登紀子氏や谷村新司氏など、多くの音楽家との交流も深く、国際的な視野を持ったアーティストとして、現在も精力的に活動を続けています。

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