オライオン・ピクチャーズ

オライオン・ピクチャーズについて

オライオン・ピクチャーズ（Orion Pictures）は、アメリカの映画製作スタジオであり、現在はAmazon傘下のMGMスタジオの子会社として運営されています。1978年に、元ユナイテッド・アーティスツの経営陣によって設立し、当初はワーナー・ブラザースとの合弁会社として活動をスタートしました。当初の役割は映画作品の制作であり、配給についてはワーナーが担当していました。

歴史的変遷

1982年には映画製作会社フィルムウェイズを買収したことにより、アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ（AIP）の作品権も取得しました。この動きをもってオライオンはワーナーとの合弁関係を解消し、自身で作品の配給を行う道に進みました。とはいえ、1980年代後半までは日本国内での配給は主にワーナーに頼っていました。

オライオン・ピクチャーズは、1980年代から1990年代初頭にかけて「ターミネーター」や「ロボコップ」といったヒットの数々を世に送り出しました。また、ジム・ジャームッシュの低予算映画や、黒澤明の作品など外国語映画の配給も手掛けていました。しかし、1980年代後半に財政難に陥り、1992年に破産してしまいます。これにより、既に制作済みだった映画の公開が数年遅れる事態も生じました。

1996年には破産から脱却しましたが、翌年にはメトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）に買収されてしまいました。現在、かつてのワーナーとの提携時代に製作した作品の権利はワーナーが保持し、その後MGMを経て、2022年からはAmazonが所有することとなりました。

オライオン・ピクチャーズはその短い歴史の中で、1991年制作の「羊たちの沈黙」がアカデミー作品賞を受賞し、その後も多くの賞を受賞するなど、映画界に大きな影響を与えました。また、2013年にはオライオン・テレビジョンとして復活し、さらには2014年には新たな配給事業も開始しました。

主な作品

オライオン・ピクチャーズは1979年から1990年代にかけて、多数の名作映画を世に送り出しました。1979年の「リトル・ロマンス」、1984年の「ターミネーター」、1986年の「プラトーン」など、幅広いジャンルにわたる作品を制作しています。また、1985年から1989年の間には「ロボコップ」「ミシシッピー・バーニング」「ノーマンズ・ランド」など、多くのヒット映画を世に送り出しています。

2020年代に入っても、オライオン・ピクチャーズは変わらず映画制作を続けており、最近では「ボトムス〜最底で最強?な私たち〜」や「アメリカン・フィクション」といった新作が公開されています。

主要なテレビシリーズ

オライオン・ピクチャーズは映画以外にも、1982年から1988年まで放送されたテレビシリーズ「女刑事キャグニー&レイシー」で大きな成功を収めました。このシリーズは、そのストーリーとキャラクターが評価され、多くの視聴者に愛されました。

オライオン・ピクチャーズは短い歴史ながらも、多くの名作を産み出し、映画業界においても大きな存在感を示してきました。様々なジャンルの作品を手掛けることで、今日でも多くのファンに影響を与え続けています。

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