オリエントフェリー

オリエントフェリー（ORIENT FERRY）について

オリエントフェリーは、かつて日本の山口県下関市と中国の青島市を結ぶ定期船航路を運航していた海運事業者で、SHKライングループに所属していました。1998年に運航を開始し、主に衣料品などの商材を輸送していましたが、様々な経済的要因によって2015年に運航を停止し、2019年には法人格が消滅するまでの道のりがありました。

歴史の概要

オリエントフェリーの前身は、1980年に設立されたSHKライングループの「西日本商船」で、山口県と中国の山東省との交流促進を目的に運航が始まりました。1980年10月には、下関と青島間における最初のチャータークルーズ「日中友好の船」が運航され、その後もチャーター便として計40回の運航が行われました。

1984年には、同社が「西日本汽船」と改称し、1990年からはコンテナ輸送も開始しました。その後、運航の頻度が増加し、1995年に年5便の不定期運航から月2回の定期運航に切り替え、国際フェリー航路に転換。新しい船「ゆうとぴあ3」が就航しました。

1997年、大分県および青島市との支援を受け、オリエントフェリーが設立されることとなります。1998年には定期航路としての運航が始まり、平日毎週1便の運行が行われました。その後、2003年には運航頻度が週2便に増えました。

経済的な影響と運航の終息

オリエントフェリーは、コンテナ輸送のピーク時にあたる2006年には1万8000TEUもの貨物を輸入した事があります。しかし、中国の人件費上昇に伴い、製造拠点がベトナムやミャンマーに移ることにより、2014年には輸入コンテナ数が9000TEUに減少しました。また、旅客数もリーマン・ショックや東日本大震災の影響で落ち込み、2008年には1万3500人だった旅客も、2014年には9200人に減少しました。

このような厳しい経営環境を受け、2015年12月24日には運航を休止。2018年6月には臨時株主総会で解散が決議され、その後特別清算手続きが始まり、2019年には法人格が消滅するという形で、歴史を閉じました。

船舶の紹介

オリエントフェリーが運航していた主な船舶には「ゆうとぴあ」と「ゆうとぴあ3」があります。

• - ゆうとぴあ: 全長184.5m、国際総トン数26,909トンで、1987年に竣工し、2002年から2015年まで運航されました。
• - ゆうとぴあ3: 全長162m、国際総トン数15,717トンで、1973年に竣工。1995年に航路に就航し、2002年に引退しました。

この2隻はそれぞれの時代を代表する旅客船であり、中国との国際交流の架け橋としての役割を果たしました。

まとめ

オリエントフェリーは、日中間の国際フェリーとしての歴史を持ち、多くの貨物や旅客を運んできましたが、経済的な変化により、その運航を終了することになりました。歴史の中で多くの交流が育まれ、海を越えたビジネスや人々の移動を支えたその足跡は、今なお語り継がれています。

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