オリンパスE-システム

オリンパスEシステム：デジタル一眼レフの革新

オリンパスEシステムは、オリンパスが開発したフォーサーズシステム規格を採用したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ、およびそのシステム全体の総称です。2003年に初代機E-1が発売されて以来、デジタル一眼レフカメラの世界に独自の地位を築いてきました。

フォーサーズシステムの採用

オリンパスは、コダックと共にフォーサーズシステム規格を提唱し、デジタル一眼レフカメラ専用の新しい規格を導入しました。これにより、レンズ設計の自由度が高まり、小型軽量ながらも高画質なレンズの開発が可能になりました。Eシステムは、実質的に35mmフィルム一眼レフカメラシステムであったオリンパスOMシステムの後継ラインナップとしての役割を担い、多くの写真愛好家から支持を得ました。

特徴

高画質：「コダックブルー」「オリンパスブルー」と称される豊かな発色は、Eシステムの大きな魅力の一つです。自然で鮮やかな色彩表現は、多くのユーザーを魅了しました。
豊富なレンズラインナップ：ズイコーデジタルレンズをはじめ、フォーサーズシステムの他社製レンズも使用可能です。マウントアダプターを使用することで、従来のOMシステム用レンズも装着できます。
ライブビュー機能：E-330は、レンズ交換式デジタル一眼レフとして初めて撮影時のライブビューに対応しました。これにより、ボディ背面の液晶ディスプレイを見ながらのフレーミングが可能になり、撮影の自由度が大きく向上しました。
フラグシップ機：E-1からE-5まで、プロフェッショナルユースを意識したフラグシップ機が開発されました。防塵防滴性能や高速AF、高画質などが追求され、プロカメラマンからも高い評価を得ました。

課題と克服

初期のEシステムには、手ぶれ補正機構や超音波モーターによるAF駆動への対応が遅れているという課題がありました。しかし、E-510でボディ内手ぶれ補正機構が搭載され、超音波モーター「SWD（Supersonic Wave Drive）」搭載レンズの開発・発売によって、これらの課題は次第に克服されました。

Eシステムの終焉とマイクロフォーサーズへの統合

2013年、オリンパスはマイクロフォーサーズシステムのE-M1を発売し、E-5の後継機として位置づけました。E-M1は、フォーサーズシステムとマイクロフォーサーズシステムを統合する機種として、新たな展開を見せました。そして、E-M1以降、オリンパスのレンズ交換式デジタルカメラの開発はマイクロフォーサーズのみに絞られ、フォーサーズシステムの新製品の計画はないとされています。

カメラ一覧（一部）

E-1：防塵防滴のプロフェッショナルユースを意識したフラグシップ機
E-3：世界最速AF、ボディ内手ぶれ補正機構を搭載したフラグシップ機
E-5：新開発の高忠実度描写技術「ファインディテール処理」やアートフィルターを搭載したフラグシップ機
E-30：アートフィルターなど新機能を搭載しつつ、小型化を達成した中級機
E-300：ペンタプリズムを廃した斬新なデザインが特徴
E-330：デジタル一眼レフで初めてフルタイムライブビューを実現

レンズ

Eシステムでは、専用のズイコーデジタルレンズが使用できます。また、シグマやパナソニック/ライカなど、フォーサーズシステムに対応した他社製レンズも利用可能です。

オリンパスEシステムは、その革新的な技術と高画質によって、デジタル一眼レフカメラの歴史に大きな足跡を残しました。フォーサーズシステムの終焉は惜しまれますが、その技術はマイクロフォーサーズシステムに引き継がれ、現在も進化を続けています。

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