オリンピックのチャイニーズタイペイ選手団

オリンピックにおけるチャイニーズタイペイ選手団の歴史

オリンピックにおけるチャイニーズタイペイ選手団は、中華民国（台湾）が参加する際の名称です。その歴史は、1922年に中華民国政府が国際オリンピック委員会（IOC）に加盟し、1932年のロサンゼルスオリンピックに「中華民国選手団」として参加したことに始まります。

中華民国としての参加

第二次世界大戦を挟み、1948年のロンドンオリンピックまで、中華民国としての参加が続きました。しかし、1949年に国共内戦の結果、中華民国政府は台湾に撤退し、同年10月には大陸に中華人民共和国が建国されました。この状況の変化は、オリンピックへの参加に大きな影響を与えることになります。

二つの中国問題

1954年、アテネで開催されたIOC総会で、中華人民共和国の国内オリンピック委員会が承認され、台湾と大陸に二つの中国オリンピック委員会が誕生しました。中華人民共和国は二つの中国を認めず、1956年のメルボルンオリンピックをボイコット、1958年にはIOCから脱退しました。一方、中華民国オリンピック委員会は名称が問題視されるようになり、1960年のローマオリンピックでは、台湾の別称である「フォルモサ」を使い、「RCF」のIOCコードで参加しました。この際、開会式では、中華民国の国旗ではなく「UNDER PROTEST」と書かれた幕を掲げ、抗議の意思を示しました。

ボイコットと名称問題

1970年にカナダが中華人民共和国と国交を樹立し、1976年のモントリオールオリンピックでは、「中華民国」としての参加を認めないという決定が下され、中華民国側はボイコットを選択しました。その後、1979年に中華人民共和国のオリンピック委員会が「中国オリンピック委員会」としてIOCに復帰。これにより、中華民国のオリンピック委員会は「中華台北オリンピック委員会」として残留し、中華民国の国旗や国歌を使用しないことが決議されました。中華民国側はこの決議に不満を持ち、1980年のレークプラシッドオリンピックをボイコットするに至ります。

チャイニーズタイペイとしての復帰

1981年、中華民国側は「チャイニーズタイペイ」という名称と「中華台北五輪委員会旗」の使用を受け入れ、1984年のサラエボオリンピックから「チャイニーズタイペイ」としてオリンピックに復帰しました。しかし、「Chinese Taipei」の漢字表記を「中華台北」とするか「中国台北」とするかについては、議論が残りました。中華人民共和国側は「一つの中国」として「中国台北」を要求しましたが、1989年、中国大陸と台湾の合意により「中華台北」となりました。

日本での呼称

漢字文化圏である日本では、公式な場面では「チャイニーズタイペイ」または「中華台北」と呼ばれていますが、それ以外の場面では一般的に「台湾」と呼ばれることが多いです。

メダル獲得状況

中華民国およびチャイニーズタイペイ選手団が最も多くメダルを獲得した夏季オリンピックは、2020年東京オリンピックの12個です。また、最も多くのメダルを獲得した夏季オリンピック競技は重量挙げで11個です。しかし、冬季オリンピックでのメダル獲得はまだありません。

メダル獲得数一覧

夏季オリンピック競技別メダル獲得数

外部リンク

チャイニーズタイペイオリンピック委員会（中国語）
チャイニーズタイペイオリンピック委員会（英語）
チャイニーズタイペイオリンピック委員会の歴史（中国語）
「中華台北」會籍名稱使用事略（中国語）
オリンピックのチャイニーズタイペイ選手団 - Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ (英語)
オリンピックのチャイニーズタイペイ選手団 - Olympedia（英語）

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