オリヴァ条約

オリヴァ条約

オリヴァ条約（英: Peace of Oliva、ポーランド語: Pokój Oliwski）は、1660年4月23日（ユリウス暦）に締結された、第二次北方戦争の講和条約の一つです。この条約は王領プロイセンに位置するオリヴァで行われ、スウェーデン、ポーランド＝リトアニア共和国、ハプスブルク家（オーストリア）、ブランデンブルク＝プロイセンの代表が参加しました。

条約の背景と交渉

条約が結ばれる前、ポーランド＝リトアニア共和国とスウェーデンは1655年から戦争を繰り広げており、双方は相手国との戦火から逃れ、他国との問題を処理するために和平を求めていました。この背景には、ポーランドの王妃ルドヴィーカ・マリア・ゴンザーガがポーランド議会への影響力を握り、夫であるヤン2世カジミェシュの権力を利用しようとした狙いがありました。また、デンマーク＝ノルウェーやロシアなどの周辺国との戦争も影響を与えていました。

交渉は1659年秋に開始され、トルンから進展していきました。ポーランド代表は一時ダンツィヒに移動し、スウェーデン側はソポトを拠点としました。交渉は難航し、特に宗教や領土に関する問題は双方の意見が食い違い、紛糾することが多くありました。

条約の内容

オリヴァ条約により、ポーランド王ヤン2世カジミェシュは、以前のスウェーデン王位への請求を取り下げました。また、ポーランドはリヴォニアをスウェーデンに正式に割譲しました。この結果、1620年代以降スウェーデンの支配下にあったリガ市も併せてスウェーデンに併合されることとなりました。

さらに、全ての占領地は元の主権国に返還され、リヴォニアとプロイセンのカトリック信者には信仰の自由が保障されました。

ブランデンブルクにおいては、公国への独立した主権が認められ、これによりポーランドの封土時代は終焉を迎えました。ただし、将来的にホーエンツォレルン家が断絶した場合には、プロイセンは再びポーランド領になる可能性がありました。

条約は神聖ローマ皇帝レオポルト1世、ブランデンブルク選帝侯フリードリヒ・ヴィルヘルム1世、ポーランド王ヤン2世カジミェシュの署名によって成立しました。また、スウェーデン王カール11世は幼少であったため、スウェーデン摂政のマグヌス・デ・ラ・ガーディエが代わりに署名を行いました。

影響と意義

オリヴァ条約は、1598年から1599年にかけての反シギスムント戦争や、その後のスウェーデン・ポーランド戦争など、両国の長年の争いを終わらせる重要な出来事となりました。この条約によって、スウェーデンのバルト帝国としての頂点の時代が確立され、同年のコペンハーゲン条約や1661年のカディス条約と共に、スウェーデンの位置を強固なものとしました。

オリヴァ条約の意義は、それだけではなく、地域の勢力図にも大きな影響を与えました。スウェーデン、ポーランド、ブランデンブルク間の関係はずっと続き、次の時代における国際関係構築の基盤となりました。

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