オルタナティヴ・ソングス

オルタナティヴ・ソングスとは

オルタナティヴ・ソングス（Alternative Songs）は、アメリカの音楽業界誌ビルボードが発表している音楽チャートの一つです。1988年9月10日に「モダン・ロック・トラックス（Modern Rock Tracks）」という名称でスタートし、その後「ホット・モダン・ロック・トラックス（Hot Modern Rock Tracks）」と名称変更を経て、2009年6月20日より現在の「オルタナティヴ・ソングス」となりました。

このチャートは、アメリカ国内のラジオ局で最も多くオンエアされたオルタナティヴ・ロックの楽曲上位40曲をランキング形式でリストアップしています。ラジオでのオンエア回数に基づいてランキングが決定されるため、楽曲の人気度やラジオ局のプッシュ戦略などが反映されるのが特徴です。

ランキングの集計方法

オルタナティヴ・ソングスのランキングは、ニールセン・ブロードキャスト・データ・システム（Nielsen Broadcast Data System、BDS）というシステムを利用して集計されています。BDSは約80のラジオ局を24時間体制でモニタリングし、各楽曲のオンエア回数を記録します。このデータをもとに、1週間ごとに最も多くオンエアされた楽曲の順にランキングが作成されます。

ラジオのオンエア状況のみを基に集計されるため、CDの売上枚数やダウンロード数、ストリーミング再生回数などはランキングに影響しません。ラジオ局での露出が多い楽曲が上位にランクインしやすい傾向があります。

チャートの歴史と変遷

モダン・ロック・トラックスとしてスタートした当初は、ポストパンクやニュー・ウェイヴ、エレクトロニック・ミュージックといった、アンダーグラウンドシーンで活躍するアーティストの楽曲が多くチャートインしていました。1988年には、スージー・アンド・ザ・バンシーズの「Peek-a-Boo」が初のナンバーワンを獲得しています。

1990年代に入ると、ニルヴァーナ（Nirvana）やパール・ジャム（Pearl Jam）といったグランジバンドが世界的な人気を獲得し、オルタナティヴ・ロックが音楽シーンの主流となっていきます。それに伴い、モダン・ロック・トラックスにも、より幅広い層に支持される楽曲がチャートインするようになりました。

2009年、ビルボードは音楽業界誌Radio & Records（R&R）を吸収合併しました。R&Rが発行していた音楽チャート「Modern Rock」と名称が類似していたため、同年6月20日よりチャート名を「オルタナティヴ・ソングス」に変更しました。名称変更後も、チャートの集計方法や対象となる音楽ジャンルに大きな変更はありません。

現在もオルタナティヴ・ソングスは、オルタナティヴ・ロックシーンの動向を反映する重要な指標として、多くの音楽ファンや業界関係者から注目されています。

参考: Alternative Airplay Chart | Billboard

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