オレーナ・ゼレンシカ

オレーナ・ゼレンシカ（Olena Volodymyrivna Zelenska）は、1978年2月6日生まれのウクライナの脚本家、著作家であり、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の妻として、2019年5月20日よりウクライナのファーストレディ（大統領夫人）を務めています。

生い立ちと教育

ゼレンシカは、クリヴィー・リフで生まれ、クリヴィーリフ国立大学で建築を学びました。彼女は、土木工学部で専門的な知識を習得しました。

キャリア

2019年、夫のウォロディミル・ゼレンスキーが大統領に就任すると、ゼレンシカはファーストレディとして公務に携わるようになりました。彼女は、教育、文化、人道支援などの分野で活動し、その影響力を国内外に広げています。

2019年10月には、視覚障害のある子供たちのためにオーディオブックを作成するイニシアチブに参加し、日本の民話「桃太郎」と「二匹のカエル」を自身の声で録音し、公開しました。また、同年11月には『Vogue』ウクライナ語版の表紙を飾り、ウクライナの学校における栄養改革について語りました。同年12月には、『フォーカス』誌の「最も影響力のある100人のウクライナ人」リストに選出されました。

2020年6月には、ウクライナ語を世界に広めるためのイニシアチブを開始し、世界各地の美術館でウクライナ語の音声ガイドを導入しました。このイニシアチブにより、2020年にはアゼルバイジャン、オーストリア、イタリア、ラトビア、トルコ、モンテネグロの美術館で11の音声ガイドが立ち上げられました。2021年には、アメリカ合衆国のマウントバーノン、サンフランシスコ美術館、フランスのヴェルサイユ宮殿、スペインのサグラダファミリアなど、世界的に有名な場所でウクライナ語の音声ガイドが利用できるようになりました。

2022年ロシアのウクライナ侵攻以降の活動

2022年のロシアによるウクライナ侵攻が始まってからは、ゼレンシカはウクライナへの国際的な支持を求める外交活動を活発に行っています。同年5月には、アメリカ合衆国大統領夫人ジル・バイデンと会談し、人道支援の必要性を訴えました。7月には訪米し、アメリカ合衆国国務長官アントニー・ブリンケンやバイデン大統領夫妻と会談しました。また、11月には英国ロンドンで開催された「紛争下の性的暴力防止イニシアティブ」に関する会議に出席し、ロシア兵による性的暴力の実態を報告し、国際社会への協力を呼びかけました。2023年5月には大韓民国を訪問し、尹錫悦大統領と会談し、支援への感謝を伝えました。

私生活

ゼレンシカと夫のゼレンスキーは、大学時代からの友人でしたが、当時は親しい間柄ではありませんでした。彼らは、ゼレンシカがクリヴィーリフ国立大学の土木工学部に在籍していた時に出会い、交際期間を経て2003年9月6日に結婚しました。2004年7月15日には娘オレクサンドラ、2013年1月21日には息子のキリロが誕生しています。

オレーナ・ゼレンシカは、ウクライナのファーストレディとして、その立場と影響力を活かし、教育、文化、人道支援などの分野で多岐にわたる活動を展開しています。特に、ロシアの侵攻以降は、国際社会におけるウクライナの立場を強化するための外交活動に力を注いでいます。

もう一度検索