オンガスジシマドジョウ

オンガスジシマドジョウについて

オンガスジシマドジョウ（おんがすじしまどじょう）は、福岡県の遠賀川水系専属のシマドジョウの亜種です。この種は、2009年に新たに発見され、2012年には正式にその特徴が記載されました。産地は福岡県飯塚市で、主にその周辺の水域に生息しています。

分布

本種は、日本の福岡県に位置する遠賀川水系に生息しており、主にその下流や中流部及び周囲の水路に分布しています。この特定の地域に限定されているため、その生態系の保全が特に重要視されています。

形態

オンガスジシマドジョウの全長は約6から8センチメートルです。特徴的な点として、尾鰭の基部に見られる黒点があり、上部がはっきりとしすぎており、下部は不明瞭である点です。また、第2口ひげの長さは眼径とほぼ同等で、オスの胸ひれにある骨質盤は円形をしており、胸ひれの第1分枝には細い部分が見られます。体型自体は細長く、側面には明るい茶色の模様が広がります。頬の斑点は大きく、稀にまばらに配置されています。そして、尾ひれには2から4列の明確な弓形の帯模様が見られます。胸ひれと腹ひれの間にある筋節数は概ね13から14です。

生態

この魚は、流れが緩やかで岸沿いに豊富な植生がある砂泥底の環境を好みますが、その生態について詳細は不明な部分が多いです。繁殖期はおおよそ5月から7月の間に起こり、オスはこの時期に縦に走る模様に変わり、鮮やかな茶褐色に変化します。メスはその多くが決まった模様を持っているものの、時折オス同様の縦模様になっている個体も確認されています。卵の直径は約1ミリメートルで、孵化後はしばらく模様が消えている状態が続きますが、稚魚になると特有の縞模様が現れ、成長と共に尾ひれの帯模様の本数が増えていきます。生息環境下では、一般的に2年以上の寿命を持つ一方、飼育下での観察では3年以上生きることもあります。

保全状況

残念ながら、オンガスジシマドジョウは炭鉱開発による環境劣化の影響を受けており、その生息範囲は非常に限定されています。特に、遠賀川はこの種を含む瀬戸内海流域の生物相に似た特異性を持ち、その水系の歴史は生物地理学的に重要です。よって、その生息地の保全活動が急務です。この種は、環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧IB類（EN）に分類されています。周囲の生態系における重要性を理解し、適切な保全措置を講じることが求められています。

関連項目

• - シマドジョウ属
• - ナミスジシマドジョウ
• - チュウガタスジシマドジョウ
• - ハカタスジシマドジョウ

もう一度検索