オーソン・ホッジ

オーソン・ホッジ：愛と秘密に翻弄される男

オーソン・ホッジ（Dr. Orson Hodge）は、アメリカの人気テレビドラマ『デスパレートな妻たち』に登場する、一筋縄ではいかない複雑なキャラクターです。演じるのはカイル・マクラクラン、日本語版吹替えは田中秀幸が担当しています。

生い立ちとトラウマ

1960年生まれのオーソンは、歯科医として働く傍ら、リバタリアンとしての思想も持ち合わせています。しかし、彼の内面には深い傷跡が刻まれています。

敬虔な家庭に育ったオーソンは、16歳の時に父が不倫の末に自殺するという悲劇を目の当たりにします。その際、父を救えなかったことを母グロリアに責められ、精神的に不安定になり精神病院へ入院。以来、母からの精神的な支配を受け続け、父の死の償いを常に求められるようになります。

母の勧めで、気が進まないながらもアルマと交際し、妊娠させたことがきっかけで結婚。しかし、アルマは流産してしまい、愛のない夫婦生活を送る中で、客室乗務員のモニークと恋愛関係に陥ります。

秘密と愛憎

モニークとの不倫関係は、やがて妻アルマと母グロリアに知られることとなります。グロリアは不倫を許さず、モニークの家へ乗り込み、偶然にも配管修理に来ていたマイクが部品を買いに出た隙に、彼が置いていったレンチでモニークを撲殺してしまいます。

愛人を訪ねてきたオーソンは、母とモニークの死体を目撃し愕然。グロリアの犯行を隠蔽するため、モニークの遺体をゴルフ場に埋めることを決意します。しかし、身元が特定されるのを防ぐために、グロリアがモニークの歯を抜こうとしたことに激怒し、彼女を穴に突き落としてしまいます。この結果、グロリアは腰の骨を折り、障害が残った彼女は老人ホームへ。オーソンは母との絶縁を決意します。

ウィステリア通りの住人として

ブリーとの出会いは、オーソンの人生に新たな光をもたらします。精神病院で出会った二人は意気投合し、交際をスタート。ブリーの持つ完璧主義な性格と、オーソンの几帳面さが共鳴し、二人は深く惹かれあいます。

しかし、オーソンの過去は常に彼を苦しめます。先妻殺しの容疑をかけられたり、昏睡状態のマイクをひき逃げしたりと、罪悪感に苛まれる日々を送ります。それでもブリーはオーソンを信じ、支え続けようとします。

罪と罰、そして愛

アルマの出現、グロリアの狂気、そしてモニーク殺害の真相。オーソンの周囲では様々な事件が起こり、彼はその渦中に巻き込まれていきます。彼は過去の過ちと向き合い、真実を告白することで、ようやくブリーとの絆を深めることができます。

最終的に、オーソンは母グロリアとの関係を断ち切り、ブリーと共に新たな人生を歩むことを決意します。ダニエルの妊娠という予期せぬ出来事もありましたが、二人は協力して困難を乗り越え、家族としての絆を深めていきます。

オーソン・ホッジは、過去のトラウマと秘密に苦しみながらも、愛を求めて彷徨う複雑な人間です。彼の人生は、罪と罰、そして愛の物語として、『デスパレートな妻たち』の視聴者に強烈な印象を与えました。

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