オートマチック・リボルバー

オートマチック・リボルバー：発射の反動で動作する回転式拳銃

オートマチック・リボルバーは、回転式拳銃（リボルバー）の一種であり、一般的なリボルバーとは異なり、発射時の反動を利用してハンマーとシリンダーの作動を自動化する機構を備えています。一般的なリボルバーは、シングルアクション（ハンマーを起こしてから発射）またはダブルアクション（トリガーを引くだけでハンマーが起きて発射）のいずれかの方式で、発射ごとに手動でハンマーを起こしたり、シリンダーを回転させたりする必要があります。一方、オートマチック・リボルバーは、この動作を自動化することで、より迅速かつ連続した射撃を可能にしています。

オートマチック・リボルバーの仕組み

オートマチック・リボルバーの動作原理は、発射時の反動を利用してハンマーをコックし、同時にシリンダーを回転させることにあります。この自動化は、多くの場合、銃本体上部に設けられたスライド機構によって実現され、これは半自動拳銃の動作と類似しています。スライドが後退することで反動を吸収し、その反動を利用してハンマーをコック、シリンダーを回転させ、次弾の発射準備を行う仕組みです。

歴史

オートマチック・リボルバーのアイデアは古く、19世紀には既に特許申請の記録が残されています。例えば、1841年にはイギリスの特許代理人モーゼス・プールが、1854年にはウィリアム・エドワード・ニュートンがそれぞれオートマチック・リボルバーに関する特許を取得しています。これらの初期の設計はゼンマイ仕掛けを利用して自動化を実現していました。しかし、広く知られるようになったのは、1895年に設計されたウェブリー＝フォスベリー・オートマチック・リボルバーが最初で、商業的な成功を収めました。

代表的なオートマチック・リボルバー

いくつかの特徴的なオートマチック・リボルバーを以下に紹介します。

マーション&ホーリングスワース・セルフコッキング・リボルバー: 1863年に特許を取得したこのリボルバーは、ゼンマイとガンギ車を組み合わせたコッキング機構を用いていました。事前にゼンマイを巻き上げておくことで、発射時にゼンマイの力を利用してハンマーがコックされます。
ランスタ・リボルバー: 1900年にノルウェーで考案された独特のリボルバーで、2つの薬室のみを持つ平たいシリンダーと側面装填式弾倉を備えています。発射時にボルトが往復運動し、排莢と装填、シリンダーの回転を同時に行います。
ウェブリー＝フォスベリー・オートマチック・リボルバー: 1901年に発表され、商業的に成功した最初のオートマチック・リボルバーです。反動利用式で、発射時の反動でシリンダーと銃身が後退し、ハンマーのコックとシリンダーの回転が行われます。
ユニオン・オートマチック・リボルバー: アメリカで開発されましたが、試作段階で終わったモデルで、生産数はわずか65丁です。
ズライカ・オートマチック・リボルバー: 1900年代初頭にスペインで開発されたポケットリボルバーで、少数しか製造されませんでした。
マテバ・オートリボルバー: 1997年に発表された比較的新しいモデルです。反動利用式で、大口径弾を使用するモデルもあります。

まとめ

オートマチック・リボルバーは、発射の反動を利用して動作を自動化することで、迅速で連続した射撃を可能にした革新的な回転式拳銃です。歴史的には様々なモデルが登場しましたが、その多くは商業的な成功には至りませんでした。しかし、これらの試みは、現代の火器設計に大きな影響を与えたと言えるでしょう。それぞれのモデルには独特の機構や特徴があり、火器史における興味深い存在です。

もう一度検索