オート・メラーラ 127 mm 砲

オート・メラーラ 127 mm 砲の概要

オート・メラーラ 127 mm 砲（Oto Melara 127mm gun）は、イタリアの防衛企業オート・メラーラ社（現在はレオナルド社の一部門）によって設計された高性能な艦載砲システムです。この砲は、高い発射速度と軽量化を同時に実現しており、艦艇の火力支援に優れた性能を発揮します。1972年の制式化以降、イタリア海軍を初めとする多くの海軍に採用されています。

構造と設計

オート・メラーラ 127 mm 砲は主に、従来の54口径長モデル（127/54 Compact）と、より新しい64口径長モデル（127/64 Light Weight）で構成されています。これらの設計は、砲塔、即応弾マガジン、下部揚弾ホイスト、及び管制室から成り立っています。例えば、コンパット砲は76mm速射砲のスケールアップモデルで、3つの即応弾マガジン・ドラムが構造に組み込まれ、それぞれ22発（合計66発）の弾薬を備えることができます。

来歴と開発

オート・メラーラ社は1960年代の初めから、軽量の自動砲の開発に取り組んできました。このタイムラインの中で、1965年10月から新型の軽量自動砲の開発に着手し、1969年にプロトタイプが完成しました。その後、1971年には洋上での性能試験を経て、イタリア海軍に正式に採用されることとなります。1972年には最初の艦艇であるアウダーチェ級駆逐艦に搭載され、その実績をもとに連続して改良が施されてきました。1993年には、レーダー反射断面積を削減する新型のアレッゲリト砲が発表され、その後ブルカノ砲が登場しました。この新しいモデルは、延長された砲身を特徴としており、最新の誘導弾使用にも対応しています。

各モデルの比較

コンパット砲

コンパット砲は、軽量かつ無人化を実現しており、弾薬の給弾作業も人力によって行われます。この砲の特筆すべき点は、砲塔が無人化されていることですが、給弾作業は人手を要します。

アレッゲリト砲

アレッゲリト砲では、自動給弾システムを搭載し、砲の重量を軽減しましたが、射撃速度は下がっています。3つの異なる給弾方式が提案され、効率的な運用が考慮されています。

ブルカノ砲

ブルカノ砲は、長い64口径の砲身を持ち、従来の弾薬に加え、特殊な誘導弾を導入しました。これにより、射程が大幅に延び、現代の戦闘状況において高い戦闘力を維持しています。

軍艦への搭載

この砲は、イタリア海軍を含む多くの国の艦艇に採用されています。例えば、こんごう型護衛艦に搭載されている他、さまざまな架空の艦艇にも登場します。アニメや小説においてもその存在感が示され、特に『空母いぶき』や『新世紀エヴァンゲリオンシリーズ』では重要な役割を果たしています。

結論

オート・メラーラ 127 mm 砲は、艦載兵器としての地位を確立しており、その設計や技術革新により、様々な海軍における戦術的役割を担っています。今後も新しい兵器システムとの統合が進むことで、さらなる革新が期待されます。

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