オート・メラーラ 76 mm 砲

オート・メラーラ76mm艦砲

オート・メラーラ76mm砲は、イタリアの防衛企業オート・メラーラ（現在のレオナルド社）によって開発された艦載砲であり、その性能の高さから多くの国で採用されています。この砲は特に、コンパクト砲とスーパーラピッド砲という2つの主要タイプに分かれ、高速連射能力と追尾能力に優れた両用砲として評価されています。

開発の歴史

オート・メラーラ社が最初に実用化した76mm砲は、62口径であるMMI（Marina Marittimo Italiana Allargato）として知られています。この砲は1958年に開発が始まり、1962年から生産が開始されました。MMIは、スウェーデンのボフォース社が設計した40mm機銃を参考にしており、イタリア海軍の対空砲として使用されましたが、85基のみの生産にとどまっています。現在では搭載艦が退役しており、ごく少数が残るのみです。

コンパクト砲とスーパーラピッド砲

コンパクト砲は、1964年に開発が開始され、1969年より量産が始まりました。イスラエル海軍のミサイル艇に採用される際、多くの改善点が指摘されたものの、最終的には高い完成度を備えた武器システムとして登場しました。この砲は、アメリカや日本でもライセンス生産が行われ、アメリカ海軍のMk.75 3インチ砲としても知られています。現在、56ヶ国以上で171クラスの艦艇に搭載されており、約1,100基が製造されています。

スーパーラピッド砲は、1984年に発表されたコンパクト砲の改良型で、発射速度が毎分120発に向上し、最大では毎分139発に達しています。これにより、運用時に必要な弾薬を迅速に切り替えることも可能です。

設計特徴

オート・メラーラ76mm砲は、無人砲塔と高発射速度を実現した速射砲の組み合わせが特徴です。砲塔には球形のガラス繊維強化プラスチック製の砲盾が設けられており、防御用ではなく主に風雨避けとして機能します。全自動の給弾システムを持つこの砲は、瞬時に必要な弾薬を供給し、状況に応じて効率的に対応することができます。また、砲塔下部には即応弾を収納した複列式の回転給弾機があり、砲台長と給弾手が配置されます。

射程と弾薬

通常の射程は16kmですが、特殊な弾薬を使用することで20kmや30kmまで伸ばすことが可能です。特にDART誘導弾は、対空防御用として有効な最大射程8km、最低目標高度2mの性能を持っています。こうした柔軟性があり、オート・メラーラ76mm砲は現代海軍において重要な地位を占めています。

使用国

この砲は、イタリア海軍をはじめとして多くの国々で採用されています。艦艇のクラスには、駆逐艦、巡洋艦、フリゲートなどがあり、それぞれの国によって装備されています。オマーン海軍においても利用されており、国際的にその影響力を持つ武器として位置づけられています。

登場作品

映画やアニメ、ゲームなどの作品にも登場し、艦載兵器として多くのメディアで取り上げられています。『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』や『沈黙の艦隊』など、架空の艦艇に装備された例が見られます。これにより、オート・メラーラ76mm砲は一般的な認知度も高めています。

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