オーバーマイティンゲン

ドイツ連邦共和国バイエルン州オーバーバイエルン行政管区に属する、ランツベルク・アム・レヒ郡の基礎自治体（Gemeinde）です。便宜上、本項目では「町」と記述します。この町は、周辺の自治体とともにイグリング行政共同体を形成しています。

地理と地区構成

公式には三つの集落（Ort）から構成されています。そのうち、比較的大きな集落としては以下の二つが挙げられます。

オーバーマイティンゲン（中心集落）
シュヴァプシュタットル

これら以外にも、小規模な集落や孤立した農場なども含まれています。

歴史

オーバーマイティンゲンの歴史は、中世にまで遡ります。

中世から近世

かつてこの地は、近隣に位置するロッテンブーフ修道院の支配下にありました。バイエルン選帝侯領の一部であった時代には、ホーフマルクと呼ばれる、農場共同体としての村落形態をとっていましたが、1803年の世俗化に伴い、ロッテンブーフ修道院の領地とともにホーフマルクとしての機能も廃止されました。

近代

バイエルンにおける大規模な行政改革の一環として、1818年に市町村に関する新しい法令が施行されました。これにより、現在のオーバーマイティンゲン自治体の枠組みが確立されました。

現代の悲劇

第二次世界大戦末期の極めて困難な時期、1944年8月から1945年4月にかけて、オーバーマイティンゲンの地は暗い歴史の舞台となりました。ここでは、ナチス・ドイツが運営していたダッハウ強制収容所の大規模な分施設であるランツベルク/カウフェリング外部収容所群のうち、第9収容所が設置されていました。この収容所は、過酷な労働や劣悪な環境により、多くの犠牲者を出しました。終戦が近づくにつれて行われた、収容者を他の場所へ強制的に移動させる、いわゆる「疎開」と称された死の行進とも深く関連しており、その悲劇的な記憶はこの地の歴史に刻まれています。

人口の変遷

町の人口は近年増加傾向にあります。具体的な推移としては、1970年には1,161人でしたが、1987年には1,265人となり、2000年には1,490人へと増加しました。

行政機構

町の行政を司る長は町長であり、現在はエルヴィン・ローゼルト氏が務めています。同氏はキリスト教社会同盟（CSU）に所属しています。町の政策決定を行う議会である町議会は、合計12の議席で構成されています。

町の象徴：紋章

オーバーマイティンゲンの紋章は、町の歴史や特徴を象徴的に表しています。

紋章は盾形を縦に左右で二分割したデザインです。

向かって左側: 赤い背景に、金色の先広十字が描かれています。この十字は盾の縁には接しておらず、中央に浮いたような配置です。これは、かつてこの地がロッテンブーフ修道院に属していた歴史を示唆している可能性があります。
向かって右側: 銀色の背景に、根をしっかりと張った状態の赤いブナの木が描かれています。これは、おそらく町の地理的な特徴や自然、あるいは地名との関連を示していると考えられます。

さらに、紋章の最下部には、石畳のような模様を持つ横帯が左右の分割線をまたいで配されています。この帯は、向かって左側の赤い背景の下では銀色に、向かって右側の銀色の背景の下では黒色に塗り分けられており、紋章全体を下から貫くデザインとなっています。この石畳の模様は、町のインフラや街道などを象徴している可能性が考えられます。

このように、オーバーマイティンゲンの紋章は、宗教的な歴史、自然や地理、そして町の基盤となる要素を組み合わせて表現されたものと言えます。

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